【場面指導のポイント(5)】体育の授業中、児童が倒れた!(質疑応答型)

共栄大学客員教授 中根政美
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【出題】

体育(器械体操)の授業中、突然児童が倒れました。意識はありません。どう対応しますか。

対応のポイントと質疑応答例

体育の授業中の事故や負傷は、生命に関わることもあり、防止に向けた事前の安全指導が極めて重要です。それでも事故が発生してしまった場合には、適切な状況判断と応急措置、他の児童生徒への指示など、機敏な対応が求められます。教師として、状況判断能力が問われる場面指導です。

以下、「質疑応答型」の場面指導を想定して、面接官とのやり取りの模範例を示します。

面接官:体育(器械体操)の授業中、突然児童が倒れました。児童の意識はありません。どう対応しますか?

受験者:まず、倒れた児童の意識・呼吸の有無を確認し、すぐに他の児童に保健室へ連絡するように伝えると同時に、AEDを持って来るように指示します。次に、

他の児童を落ち着かせつつ、心臓マッサージを行います。他の先生方、養護教諭が到着したら簡潔に状況説明を行い、指示を受けて対応します。

面接官:他の児童が不安で泣き出しました。どうしますか?

受験者:大丈夫だからと言って安心させ、併せて事故時の状況について詳しく聞き出します。

面接官:病院への緊急搬送が必要だと判断されました。どうしますか?

受験者:管理職、養護教諭、緊急隊員に事故時の状況を伝えます。保護者にも連絡し、病院へ向かうよう伝えます。

面接官:こうした事故を未然に防ぐために、どのようなことに取り組みますか?

受験者:まず、事故防止に向けた事前指導を十分に行います。また、日頃の健康観察もしっかりと行い、子供たちの健康状態も把握します。さらに、一人一人の運動能力も把握し、個に応じた指導を工夫します。

外せないポイント①=最優先は、児童生徒の生命と安全の確保

緊急事態発生時に最優先すべきは、児童生徒の生命と安全の確保です。さまざまな危機を想定しながら、迅速かつ適切に対応できる判断力が教師には求められます。AED(自動体外式除細動器)やエピペン(アナフィラキシー補助治療剤)の使用法についても、基本的な事柄は押さえておくとよいでしょう。

外せないポイント②=学校の共通理解に基づく対応

各学校では、緊急事態を想定した「危険等発生時対処要領(危機管理マニュアル)」を作成しています。この共通理解を下に、他の教職員、保護者と連携した事故防止、事故対応をすることを質疑応答の中で伝えます。

外せないポイント③=事前の事故防止、健康観察

コロナ禍で、児童生徒の運動不足などが指摘されています。こうした背景も押さえつつ、事前の事故防止、健康観察等に十分取り組むことを伝えます。


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