【模擬授業の心得(6)】「展開~終末」の組み立て方

共栄大学准教授/元埼玉県小学校教諭 小川 拓
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模擬授業では、「展開」の部分を実施することもあります。「展開」部は「授業の山場」です。児童生徒の思考が深まり、授業の「めあて」に迫るような内容にしていかないといけません。説明や解説ばかりに終始しないよう、工夫が必要です。

授業の流れを考える際に、押さえておきたいのは次の3点です。

  1. 学習課題の追究
  2. 個別対応
  3. 主体的・対話的な学習活動「1.学習課題の追究」では、教えることはしっかり教え、考えさせるところはしっかりと考えさせることを意識しましょう。児童生徒自身が課題に取り組む時間を「5分考えてください」などと明示し、実際にはすぐに「はい。5分たちました」と言えば、10分の模擬授業で15分の内容を扱えることになります。

「2.個別対応」では、個に応じたヒントカードやワークシートなどを準備し、弱点の強化や発展的な学習を実施していくことが大切です。もちろん、これらのカードやシートは準備できないので、あるかのように振る舞うことになります。

学力的に課題のある子に対しては、スモールステップの指導を通じて達成感を与え、自己肯定感を高める指導を心掛けます。一方で、学力の高い子への対応も忘れてはいけません。「展開」の後半では、反復学習等を無理なく継続的に行いながら、既習事項の定着を図るという流れも頭に入れておきましょう。

「3.主体的・対話的な学習活動」では、例えばゲストティーチャーを招くなどして、子供が専門的な知識や実体験に触れ、深まりのある学習活動も視野に入れたいところです。「前回、市役所の方に来てもらい、○○の仕組みついて話をしてもらいました。今日は…」といった形で、授業を展開していくのもよいでしょう。

意識したいのは「離合集散」、「個」での学びと、ペア・グループでの「全体」での活動を使い分けることです。全員が、前だけを向いて個別に授業を受けているという授業は、避ける必要があります。「主体的・対話的な学習活動」を盛り込むことで、円滑な学級経営とのつながりもアピールできます。最終的に、個別学習やグループワークを通じて出てきた児童生徒の発言から共通点を見いだすなどして、学習の「めあて」に迫っていきます。

ちなみに、模擬授業では、児童生徒役が全くおらず、試験官も何ら反応しないこともあります。私も経験しましたが、イメージ的には2人組の漫才を1人でやっているような感じで、普通の授業よりも難しいものがあります。それ故に、戦略と練習が欠かせません。


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