【教育ニュースの勘所(2)】GIGAスクール構想

月刊『教員養成セミナー』元編集長/教育ジャーナリスト 佐藤 明彦
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「GIGAスクール構想」の基本

2021年4月、全国のほぼ全ての学校に、学習者用のデジタル端末が、児童生徒1人1台ずつ配備されました。これまで、日本の学校のICTは世界的に見て大きな後れを取っていました(※1)が、これがいきなり世界トップクラスに躍り出たわけです。一体、何があったのでしょうか。

「1人1台」の端末環境を実現した施策、それは政府が2019年に打ち出した「GIGAスクール構想」です。「GIGA」とは「ギガバイト」をもじっているかのようですが、正式には「Global and Innovation Gateway for All」の略、直訳すれば「グローバル化と革新に向けた全ての入り口」といったところでしょうか。

「GIGAスクール構想」自体は国の施策ですが、実際に端末の整備をするのは各自治体です。端末を配備する自治体に、国が1台につき上限4.5万円の補助金を拠出するという形になっています。当初は、2023年度までの整備を目指していましたが、今回のコロナ禍で大幅に前倒しされました。文科省が強い姿勢で各自治体に働き掛け、追加の補正予算なども投じた結果と言えます。

なお、端末の整備は自治体単位で行われたため、機器の種類やスペック、インストールされているアプリなどは、区市町村によって異なります。また、端末を児童生徒が持ち帰るか否かなどの運用も、自治体によってまちまちです。

なお、日本の学校のICTが「世界トップクラス」になったと言っても、それはあくまでハード面にすぎません。活用されなければ何の意味もないわけで、今後は現場での活用をいかに促進していくかが、教育行政の課題となります。

採用試験対策のポイント

政令指定都市を受験する人は、その市がどんな端末を導入し、どんな運用方針を敷いているのか、可能な範囲で調べておくことをお勧めします。採用試験対策という点だけではなく、自身が教師になった後にも、その情報は役立つはずです。

面接や論作文においても、「ICTの活用」について問われる可能性は大いにあります。その際は、GIGAスクール構想に基づいて1人1台のデジタル端末が整備されたことにも触れながら、自身が積極的に活用していく姿勢を示すことが大事です。

ただし、気を付けたいのは、端末の活用はあくまでも「手段」であるということです。端末使用の目的は、子供たちの資質・能力を高めることであり、使用そのものが目的化してはいけません。そうした視点は、面接や論作文にも盛り込みたいところです。

※1 「OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)」

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