面接・場面指導の直前アドバイス 圧迫や畳み掛けへの対応

試験が始まる。これまで学んだことを生かして、ぜひ教員への夢を果たしてもらいたい。ここでは、面接、場面指導の直前対策を解説する。目を通して頭に入れておき、圧迫面接や答えに詰まってしまうなどの困ったときに思い出してもらいたい。

これだけはやっておきたい
▽想定問題で十分な準備を

面接や場面指導では、受験する自治体のこれまでの試験の傾向の分析と昨今の教育を巡る諸事情から想定質問を数多くつくり、模範解答例を作成しておくとよい。「備えあれば憂いなし」で安心して本番に臨めるだろう。十分な準備をしておけば、慌てたり、舞い上がったりせずに済む。

▽繰り返し面接練習

面接は模範解答などを見て頭で理解しても、それだけでは不十分である。実際に面接の場を設定して、対面する面接官を意識し声を出して回答することによって、回答する力が付いてくる。そのためには、いろいろな人に面接官を務めてもらい模擬面接をするとよいだろう。受験仲間、友人、大学の教官、家族などにお願いして練習を繰り返すことが大事。可能であれば大学の先輩などで現役の教師がいたら、練習の相手を務めてもらおう。練習を繰り返すと自分の欠点や回答の不備などが見つかってくる。本番まで日数も少ないが、多くの練習を積み重ね、ウイークポイントの改善を図りたい。

▽圧迫面接を体験しておく

本番では、よく圧迫面接が行われる。受験者があいまいな答えをしたり、弱みを見せたりしたときに、面接官は狙いすましたかのように圧迫面接をしてくることがある。それに対応するにはやはり事前の練習が重要である。練習で、「心を落ち着かせること」「開き直ること」を身に付けておく必要がある。練習相手に厳しい圧迫面接を組み入れてもらえるよう頼むとよいだろう。

圧迫面接に対応する
▽嫌な質問で追い詰められる

圧迫面接は、受験者の本心を探りやすく、有効な手法として実施されることが少なくない。試験で緊張したり、落ち着かない気持ちでいたりする受験者にとってはありがたくない面接の手法である。

「あなたは教師に向いていないのではないか」「そんな方法は通用しない。考えが甘いのではないか」「そんなことは誰だって思い付く。違うやり方はないのか」「教職課程で学んだのは、その程度のことなのか」「不合格だったらどうする」など実に嫌な質問で追い詰めてくる。

▽圧迫面接の狙いは何か

圧迫面接をされると、誰でも焦ってパニック状態になりがちである。動揺して、冷静さを失ってしまい、落ち着いた判断や回答ができなくなる。

受験者をわざわざこのような状況に追い込み、本性・本心を探ろうとするのが圧迫面接なのである。探りたい本性とは何だろう。学校現場では日々いろいろなことがあり、中には予想しなかったことが起きる場合も少なくない。そのようなときどのような対応、行動をするのか、ということである。児童生徒のために、何ごとにも動じることなく対応できるかどうか、苦しい状況を乗り越えようという強い気持ちがあるのか、こういうことが学校現場には求められているのである。

▽情熱を示して乗り越える

実際の対応を考えてみよう。

  • 気持ちを落ち着かせ、開き直る

努めて冷静を装い、落ち着いて対処するよう心掛ける。どんなに意地悪な言い方をされても、カッとしたり、パニック状態になったりしないことが肝心。「いよいよやってきたな」「こちらにはこちらの考えがあるぞ」と開き直るようにしたい。冷静な態度が面接官には評価される。また、冷静な態度をとることで次のよい考えや気持ちのこもった回答を出すことができる。

  • できる限り食い下がる

「教師に向かない」などと言われても必死に食い下がり、教職への強い思いを示そう。その際、ただ「頑張ります」と頑張りを強調するのではなく、「その点はこれから一生懸命学んでいく」「こういうふうに改善できるよう努力する」などと具体的な構えを見せることが大事である。よい回答を探そうとせず、強い責任感、教職への情熱を示すようにしたい。こういう姿勢が、頼もしさ、信念の強さと映る。

畳み掛けられる質問への対応
▽次々と質問が浴びせられる

面接で「授業中に騒いでいる子たちが数人いたらどうするか」と問われたとする。「その子らを集めて、授業中で迷惑に思う友達が多いから静かにしなさいと指導する」と受験者は回答。面接官からは次のような質問が畳み掛けられた。

「そんなにやさしい言い方では、子どもたちは言うこと聞かないよ」「集めて注意しているうちに、他の子どもらが騒ぎ出したらどうする」「そんな方法しか考えられないの」「そんなやり方でうまくいくのか」――。

▽畳み掛ける意図は

教師はさまざまな場面で、子ども、保護者、地域住民らから理不尽な言動を受けたり、ねじ込まれたりすることがある。従って、これらに対応できる、しっかりとした人材を求めている。質問を畳み掛けることにより、受験者の対応力、判断力を試しているのである。

▽気迫、執念を示すには

では、どのように対応したらよいのだろうか。

  • 先に述べた自分の考えに責任を持つ

この例で「やさしい言い方では、子どもたちは言うこと聞かない」と言われても、すぐに諦めない。「騒いでいる子をまず静かにさせることが重要」と粘った上で、「次に周りの子の指導に順次取り組んでいく」とさまざまな対処法を考えていることを強調したい。

  • 自分の信念をできる限り押し通す

実は面接や場面指導には正答というものはないと言ってもいい。「そんな方法しかないのか」「それしか対処法は考えられないか」と畳み掛けられると、つい別の答えを考えたくなる。別に良い考えが思い付くなら、それを回答すればよい。思い付かないのなら。「いや、私はこのやり方で徹底する。この方法で粘り抜く」と強い思いを示すのもよいだろう。

回答が思い浮かばないときの対応
▽全ての知恵を働かせて粘り強く

場面指導は、個別的・限定的な場面での受験者の判断力や実践的な対応力を見取る試験である。従って、思い浮かばないからと諦めてはいけない。何とかして窮地を脱するために、全ての知恵を働かせて粘り強く頑張り抜く必要がある。

  • 判断力を示す

趣旨や内容を正しく理解し、回答やロールプレーに生かしているか。「与えられた課題の意図を正しく理解し、適切に対応できている」「感情に溺れず、冷静に判断を下している」などがポイント。

  • 実践的な対応力を示す

予期せぬことにも対応することができるかどうか。「行動に躊躇(ちゅうちょ)したり、臆したりすることがない」「明確な言語表現で、相手を納得させたり、その場を収めたりできる」などがポイント。

▽関係ありそうなことや周辺のことを思い切って切り出す

最初から模範的に答えようとすると、回答が思い浮かばない。関係がありそうなこと、設問の周辺に近いことを話してみる。そうすれば、面接官が考えを整理できるように助け舟を出してくれる場合もある。その結果、自分の考えを述べやすくなるはずである。思い浮かばないからとパニック状態にならないよう努めて冷静に対応策を考えていくようにしたい。