【模擬授業の心得(7)】板書への配慮事項

共栄大学准教授/元埼玉県小学校教諭 小川 拓
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「めあて」の提示と掲示物

板書は、一枚の作品を仕上げるようなイメージを持つことが大切です。模擬授業で1コマ分の全板書を書くことはありませんが、模擬授業後の質疑応答でその後の流れを質問される可能性があるので、全体構成まで想定しておきましょう。

板書で絶対に欠かせないのが、本時の「めあて」や「課題」です。本来の授業であれば、既習事項を確認しながら「めあて」について子供たちに考えさせ、提示することもあります。しかし、模擬授業で「めあて」の提示まで進まないと致命的ですので、なるべく早い段階で板書するようにしましょう。最初に「本時の『めあて』はこれです」と言って進めてしまっても構いません。

視覚に訴える工夫

受験者の中には、模擬授業の板書が少なく、口頭の説明が中心になる人もいますが、好ましくありません。発問、指示、解説とともに、バランスの良い板書が求められます。

模擬授業では、あらかじめ許可された場合を除き、写真や表を掲示することはできません。ただし、あたかも写真があるかのように授業することは可能で、図や表、具体物などを活用できる力があると評価されます。「皆さん、この写真を見てください」といった具合に話し掛けるなどして、授業を進めていくとよいでしょう。

なお、板書をする際には正しい文形や筆順が求められますので、実際の黒板を使って入念に練習しておきましょう。筆順が違ったり、誤字があったりした場合は、減点の対象となることもあります。

チョークの使用とノート指導

チョークの色使いについては、7割が白、3割がカラー(黄色→赤→青の順)とします。私の場合、板書は声に出しながらしていました。そうすることで、教師が板書し終えたときに、子供たちもノートを取る作業を完了することができます。

チョークの色使いはノート指導にも役立ちます。私の場合、白チョークは、鉛筆の「黒」、黄色チョークは「赤」、赤チョークは「青」でノートに書くよう指導していました。模擬授業では、例えば「私が黄色で書いているから皆さんは…そうです。『赤』で書くのでしたね」などと言うなどして、ノート指導もできている様子を示してもよいでしょう。


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