【模擬授業の心得(8)】指名の仕方と教師の対応

共栄大学准教授/元埼玉県小学校教諭 小川 拓
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指名の仕方の割合

問題などを提示し、その全てで挙手をさせて指名するという流れは、必ずしも良い授業とは言えません。発言意欲の高い子供、または学習に自信のある子供だけで授業が進行してしまう危険があるからです。私の場合、全体の7割を直接指名としていました。

例えば、以下の2つの発問を見てみましょう。

「Aさん、17+18の答えは何ですか?」

「17 +18の答えは何ですか? それでは、(5秒の間)Aさん!」

ほぼ同じような内容ですが、学習効果は大きく違います。前者の場合、先に「Aさん」と指名しているので、Aさん以外の子供は考えようとしません。一方、後者の場合は先に指名をしていないので、5秒の間に多くの子供たちが頭を働かせて考えることでしょう。

子供たちの思考を深めるためにも、模擬授業においても問題などを提示し、少し間を取ってから指名した方がよいでしょう。その際、挙手を求める必要はなく、いきなり指名して構いません。授業内容にもよりますが、「いきなりの指名」が7割、「挙手させてからの指名」が2割、「フリー発言」を1割というような割合で考えていくとよいでしょう。

問題や課題が難しく答えられたら称賛されるような場合は、「挙手させてからの指名」がよいでしょう。また、いろいろなアイデアがほしい場合は、「フリー発言」を促すようにしましょう。

児童生徒への丁寧な対応

親しみを込めて子供を呼び捨てにしたり、友達のような言葉遣いをしたりする教師がいます。しかし、教師として教壇に立っている以上は、言動も含め子供たちの見本となるべきです。模擬授業においては、個を大切にするという考えの下、しっかりと敬称を付けて呼ぶようにしましょう。

模擬授業は、試験官が児童生徒役になったり、他の受験生が児童生徒役になったり、子供たちがいる設定で進めていくこともあります。「さん」「君」の敬称を付けるとともに、「Aさん、いい考えです」のように、丁寧な言葉遣いで話すように努めてください。同じレベルの模擬授業であっても、評価(点数)には大きな差が出てくることでしょう。


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