【場面指導のポイント(8)】「感染が怖い」と欠席を続ける子供への対応(質疑応答型)

共栄大学客員教授 中根政美
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【出題】

「感染が怖い」という理由で登校できない子供がいます。どう対応しますか?

対応のポイントと質疑応答例

コロナ禍で、学校は大きな影響を受けました。感染対策を十分に行っていても、「感染が心配なので」と欠席を続ける子供もいます。子供の心に寄り添いつつ、登校を働き掛けて「学びの保障」に取り組む姿勢を示せるか、児童理解力と指導力が問われる場面指導です。

以下、「質疑応答型」の場面指導を想定して、面接官とのやり取りの模範例を示します。

面接官:「感染が怖い」という理由で登校できない子供がいます。どう対応しますか?

受験者:まず、学校が実施している感染対策を本人・保護者に説明した上で、安心して登校してほしいこと、授業も正常に行われていることを伝えます。

面接官:実は、友人関係のトラブルも原因としてあることが分かりました。どうしますか?

受験者:本人からよく話を聞いた上で、対応します。具体的には学年の先生方に協力してもらいながら事実関係を把握し、登校しやすい環境をつくります。また、本人の意向を尊重し、感染が心配だったから欠席が続いていたという理由を他の児童生徒に伝えるなどして、スムーズに登校できるよう配慮します。

面接官:不登校を減少させるために、日頃どのように取り組みますか?

受験者:児童生徒理解を心掛け、自己肯定感を育てます。同時に、授業を大切にし、学び合うことの大切さと喜びを実感させるようにします。

外せないポイント① =個に応じた対応

不登校の要因は多様で複雑です。友人関係、学力・進路への不安、家庭環境など、きちんと要因を把握した上で、個に応じた対応が求められます。この場面のように、「感染が心配」と言いながら、実は原因が別にあるケースもあるので、場面指導では児童生徒や保護者から丁寧に話を聞く姿勢を示しましょう。

外せないポイント② =社会的自立への支援

不登校はかつて、「問題行動」の一つとして対応がなされてきました。しかし、現在は教育の機会を確保し、社会的自立に向けて支援していくことに、対応の在り方が変わってきています。「教育機会確保法」の理念も社会的自立への支援であり、文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」にも「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく」と明記されています。

外せないポイント③ =一人で抱え込まない

いじめや児童虐待と同様、不登校も担任が一人で抱え込んではいけません。管理職や学年の教員、前年度の担任、スクールカウンセラー、養護教諭などと連携し、個に応じた支援を講じていく姿勢を示したいところです。


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