【模擬授業の心得(10)】本番直前に準備すること

共栄大学准教授/元埼玉県小学校教諭 小川 拓
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模擬授業の本番前には、板書計画を頭に入れておくことが重要です。本時の「めあて」(教科によっては課題・問題)をしっかりと書くとともに、「めあて」に向かっていく授業、「めあて」からそれない授業を心掛けましょう。

児童生徒役がいる場合といない場合でも、必ず試験官はそこにいます。緊張するのは当たり前です。教師になった後、研究授業や授業参観で「緊張してないように見せる」ことも、教師の授業力の一つです。たとえ緊張していても役者になりきって笑顔をつくり、表現豊かに授業を進めましょう。

授業の良しあしも大切ですが、表情豊かに子供たちの気持ちが乗ってくるような雰囲気を出すことができれば、加点の対象になります。逆に、授業の内容が良くても、声が小さかったり表情が暗かったりすれば、減点されることもあります。

「よろしくお願いします!」としっかりとあいさつをし、子供たちに掛ける「第一の声掛け(発問)」は、構成用紙がある場合にはメモしておくとよいでしょう。

「この問題は前時とどのような違いがありますか?」「徳川家康が一番怖れた敵は何でしょう?」「一番『勇気』のある人ってどのような人でしょうか?」など、子供たちの興味を引く(もしくは試験官の興味を引く)第一声を発することが大事です。それができれば、授業はスムーズに進みだします。

次に、課題意識を高める発問をします。子供たちの反応を「なるほどいい考えですね」「それは先生も思い付かなかった」「良い発想です」などと一人演技で受け止めた後、次の発問に移っていきましょう。

板書計画が頭の中にあれば、課題からまとめに向かって「ぶれる」ことはありません。一方で、模擬授業をするのが導入部だけだからといって、授業の前半部分しか考えていなければ、「めあて」に向かっての着地点が大きくずれていくことになります。たとえ良い授業をしたと思っても、方向性がずれていれば、点数は低くなることでしょう。

①めあて・課題・問題

②板書計画

③第一発問+児童生徒の反応

この3つさえしっかりできていれば、流れができます。本番直前、必ず確認してから試験に臨んでください。

なお、模擬授業終了後に、面接官との質疑応答がある自治体もあります。「良い授業とは?」「学力向上に向けてどう取り組むか?」「深い学びとは?」「評価の行い方は?」など、いろいろなことを聞かれます。模擬授業の準備をするとともに、これら質疑応答の回答案も考えた上で本番に臨んでください。

 (終わり)


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