若手教師の教職生活のポイントとして先輩教師との交流がある。教科指導や学級経営についてアドバイスを受けることもあるし、身近なモデルとしてまねをさせてもらうこともある。面接でも先輩教師との関係性について問われたり、回答したりすることがある。先輩教師とのコミュニケーションの在り方について考えよう。
生徒指導などは協力場面も
人間関係が煩わしいので、あまり職員室に戻らず教室や準備室で過ごすことが多い、という若手教師の話を聞く。もったいないことである。現在の学校教育現場は、40代以上の教師がかなり多い。年齢の離れた人間とあまり話したことがなく、どのように付き合ったらよいか分からない若手教師は珍しくない、という現状もあるだろう。
教師の先輩として多様な場面で教えてもらうことも多いだろうし、生徒指導や保護者との対応などは自分だけではなく、必ず学年の先輩教師、管理職に報告し、一緒に取り組むことが必要とされている。こうした経緯や考え方は面接でもよく問われるので、そのための準備として先輩教師とのコミュニケーションについて学んでおこう。
教師の仕事を円滑にするため
まずは、先輩教員とのコミュニケーションは仲良くなるためのものではなく、教育という仕事、教師の仕事を円滑に行うためのコミュニケーションである、ということを理解しておきたい。多くの先輩教師は若い教師に興味があり、できることは教えてあげたい、という気持ちが必ずある。自分を伸ばすために、積極的に先輩教師に学んでいきたいものである。
先輩教師に相談にのってもらいたいときの大きな留意点は、次の3点である。
・学級経営や生徒指導などで困ったことや分からないことがあったら、悩んでいないで、早めに相談する。
・先輩の都合をきちんと確かめてから相談に乗ってもらう。
・相談したいことについては、あらかじめ自分で整理しておく。
アドバイスを受けるときのこのほかの留意点は表にまとめておいたので参考にしてほしい。
また、先輩ではあるが、同じ学校の同僚であるという立場をよく理解することも大事だ。教えを請う場合は、立場を尊重しようということである。身近に教師としてのモデルがいるということを大切にしたい。
面接では組織で取り組む姿勢を
面接のやりとりでは、以下の点を大切にしたい。
・着任したら、先輩教師と積極的にコミュニケーションを取り、教科指導、学級経営などを謙虚に学ぶ姿勢を示す。
・経験が浅ければ、分からないことがあるのは当たり前なので、遠慮せずに聞いていく。ただし、頼りすぎないことと、感謝の気持ちを持つことを示す。
・問題などが生じたら、一人で解決しようとはせず、先輩教師に相談するなど組織で取り組むという姿勢を示す。
先輩教師からアドバイスを受けるときのポイント
1、話を聞くときのポイント
・話を聞くときは、先輩の都合を確かめてからにする。
・先輩の話に関心を示し、話す人の立場になって聞く。
・あらかじめメモなどを用意して、要点をまとめるようにする。
・あいづちをうつなど、理解していることを示す。
・先輩の意図をつかもうとしながら聞き、適切な返事や対応をする。
・相談があるのなら、あらかじめ整理しておく。
・感謝の気持ちを持つ。
2、忠告を受け入れるポイント
・姿勢を正して、素直に聞く。
・厳しいことをいわれても、自分のためであると思い、冷静に聞く。
・謙虚に聞き、言い訳はいわない。特に、子供のせいにしない。
・質問がある場合は、話が一段落してから行う。
・先輩の話に疑問があるときは、理由をきちんと確認してもよい。
・積極的に受け止め、いわれたことを実践しようとする。