教採試験の面接時における態度やしぐさは、面接官からかなり注目されている。話す内容より注目されていると言ってもよいかもしれないほどである。前回の笑顔に続いて、ここでは動作やしぐさを美しく見せるポイントを紹介する。次の6項目である。
(1)動きは1つ1つ区切る=動きにも間を取るようにする。お辞儀も頭を下げたら、そこで一度しっかり止めて、それから頭を上げる。
(2)2つの動作を一度にしない=動作は丁寧に行う。何かをしながら別の動作を行う、いわゆる「ながら動作」はできるだけ避ける。面接ではこのような場面はないが、教室でPCを操作しているときに子供に話し掛けられたら、操作をしながら話を聞かないように。必ず手は止めて話をしっかり聞こう。
(3)指先はそろえよう=一本指で指したり、指がばらばらに開いたりしていると雑な印象を与える。模擬授業で子供を指名するときには、1本指で指すことはせず、手をそろえて子供の方に向けて「〇〇さん」と呼び掛ける。
(4)手の平全体を使う=何か指示を出すときなどは相手に手の平を見せるようにする。(3)のように子供を指名したり、場所を指し示したり、何かをもらったりするときなど手の平全体を使うようにする。
(5)物の受け渡しは両手で行う=教採試験では、書類などを手渡しされる場面があるだろう。必ず両手で受け取ること。片手で行わざるを得なかった場合は「片手で失礼いたします」と一言付け加えるようにしよう。
(6)物の取り扱いは腰より上で行う=腰より上で扱うと丁寧に見えるだけではなく、自分の視野に入りやすくうっかり物を落としてしまうなどのミスも少なくなるので、心掛けておこう。
いずれもそれほど難しいことではない。普段の自分の態度を振り返ってみて。ほんの少し意識するだけで丁寧さが変わってくると思う。ただ、形から入るにしても、「心」が伴わないマナーは本物ではないので気を付けよう。
表情、視線などについて面接官のよい印象に残るポイントを紹介する。
〈表情〉
■面接中の表情にも常に気を配る
▽質問を待っている間は、小さな笑顔で待つようにする。絶対にうつむいてはならない。
▽質問をされたら、まずうれしそうな顔をする。嫌がったり、困ったりするような顔はNGである。
▽質問に答えている間は、できるだけ大きな笑顔を浮かべる。無表情だったり、眉間にしわを寄せたりしない。
▽質問に答えた直後にも改めて大きな笑顔を浮かべる。ほっとしたような表情はしない。首を傾げたり、ため息をついたりもNGである。
面接官は受験者の表情もものすごくよく見ている。表情の変化に受験者の本音が見えたりするからである。笑顔で回答するとその内容に自信があると判断され、好印象につながる。一方、表情が硬いと自信がないように感じられるし、この人物と続けて話したいという興味が湧かない。
〈視線〉
■目の動きで評価を下げることも
▽何よりも面接官としっかりアイコンタクトをする。目を合わせないと自信がないように見えるし、子供の目を見て話せない教師に不向きな人物と判断されかねない。
▽視線を泳がせたり、目をきょろきょろさせたりしない。落ち着きのない人物に思われる。
▽親しみを込めた、感謝の目でしっかりと面接官を見る。真剣であっても、面接官をにらみつけるようなことはないようにしたい。
▽面接は2~3人の複数の面接官で行われることが多いが、質問をしてくれている面接官へ視線を向けるようにする。体も若干そちらに向ける。回答の最中はほとんどその面接官に視線を向けているが、頃合いを見て他の面接官にもほんの少し目配りをするとよい。
目の動き・視線はコミュニケーションで大きな役割を果たす。常に笑顔で面接官に視線を向け、アイコンタクトを心掛ける。目がきょろきょろしたり落ち着きがなかったりすると落ち着きがないように見え、子供たちを任せられる人物とは思われないだろう。