【神谷正孝の教育時事2022(1)】教育時事の対策2022 「合格に向けて時事をどう攻略するか」

kei塾主任講師 神谷 正孝

 皆さん、こんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。今回からは来年の試験に向けた受験対策として、教育時事の重要テーマ解説に入りたいと思います。初回の今回は、採用試験における教育時事の対策について解説します。

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 教育時事と一口に言っても、ジャンルはさまざまです。大学などの高等教育の話や、財源の問題が伴う教育行政関連の話は、「教育時事」としては重要テーマですが、受験対策としては重要ではありません。公立学校の教員採用試験は、小学校~高等学校までの教員を選考する試験です。従がって、初等中等教育関連の話題が最も重要です。多くの時事ニュースの中から、押さえるべき内容とそうでない内容を選別する必要があります。

 その際、教員を志す人材としての感度が問われています。面接などで振られたテーマについて意見を述べる際に、一般人やテレビのコメンテーターのような感想レベルで終わってしまっている回答や、言葉の説明に終始してしまっている回答は、意欲を疑われかねません。聞く側は、「採用試験を目指しているからには当然理解しているもの」として聞いているわけで、内容を理解した上で、自分の言葉で自分の関わり方を話すことが求められています。

 教育時事のテーマの中には、実施について賛否両論があるものや、推進論と慎重論が拮抗(きっこう)するようなテーマもあります。しばしば討論のテーマとして採用試験でも出題されている小学校での教科担任制や外国語教育の早期化などは、デメリットも指摘されており、慎重に捉える向きもあります。しかしながら、推進の方針決定がなされたものに関しては、推進論の中でデメリットの部分をどのように対策していくかという考え方で、議論を進めるべきでしょう。討論などで、しばしば議論の前提をひっくり返してしまう人がいますが()、実施が始まっているものについては、どのようなことに配慮しながら進めたらうまくいくかという方向で論じていく必要があるでしょう。

 賛否が分かれるテーマでは、バランス感覚も重要です。テーマについていろいろな見方や考え方がある中で、多様性を排除するような回答は避けるようにし、調和的・包摂的な考え方が大切になるでしょう。ディベート的な議論が求められているときに、最初から調和的に考えていくのは、条件違反にもなりかねませんが、最後には両極に振れないバランスの取れた回答が求められることを意識しておきましょう。

 バランス感覚を養うためには、教育ニュースなどについて賛否の対立点を探ってみたり、新聞の社説やコラムなどの主張に対して、「本当にそうなのか」「ほかに考え方はないか」などテーマについて批評的に検討してみることなどが有効です。昨今は、電子媒体が普及し、発信される膨大な情報を、「読み流す」だけになってしまいがちです。必ずしもその場で考えなくともよいと思いますが、関心のあるテーマについては、写真に撮ったり、スクリーンショットしたり、メモをしたりするなど、ストックしておき、時間のある時に考えを整理してみるようにしましょう。

 以上、教育時事の対策について5点解説しました。図表には、今後この連載で取り上げていきたい試験で問われそうな討論や論文のテーマを掲載しておくので、一緒に理解を深めていきましょう。

  例えば、「小学校の教科担任制について」などのテーマで、「実施に際してどのように取り組むか」や「どのようなことに留意するか」が問われているのに、最初に反対の立場を表明して制度自体を批判するなど。

 

1.キャリア教育に関する次の記述ア~エのうち、正しいものを選んだ組合せとして適切なものは、下の 1 ~ 5 のうちのどれか。(2022東京都)

ア キャリア教育とは、一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育である。

イ キャリア教育は、特定の活動や指導方法に限定されるものではなく、様々な教育活動を通して実践されるものである。

ウ キャリア教育で育成すべき「基礎的・汎用的能力」は、「人間関係形成・社会形成能力」、「自己理解・自己管理能力」、「課題対応能力」、「キャリアプランニング能力」の四つで構成されている。

エ 生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を、義務教育を修了するまでに、身に付けさせることを目標とすることが必要であるとされている。

1 ア・イ

2 ア・ウ

3 イ・ウ

4 イ・エ

5 ウ・エ

解答3 解説 令和3年7月に実施された東京都の問題からピックアップした。ア:これは職業教育の説明である。エ:「義務教育を修了するまで」が誤り。

2.「令和元年度 文部科学白書」(文部科学省 令和2年7 月)に関する記述として適切なものは、次の 1 ~ 5 のうちのどれか。(2022東京都)

1  学校教育の情報化に向けた「スマート・スクール・プロジェクト」の実現に向けて、校内LANの整備を推進するとともに、令和 5 年度までに、小学校から高等学校までの全学年の児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指している。

2  成年年齢を引き下げる民法の一部を改正する法律が令和4年4月1 日より施行予定であることから、消費者庁、法務省、金融庁とともに、「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム」を決定し、本プログラムに基づき、若年者に対する消費者教育の推進を図っている。

3  環境教育を一層推進するため、「環境×SDGs一体推進パイロット・プログラム」に参加する協力校を指定するとともに、児童生徒の健全育成を目的とした自然体験活動や農林漁業体験など農山漁村等における様々な宿泊体験活動を支援している。

4  学校における食育を推進するため、学校を核として家庭を巻き込んだ取組を推進し、子供の日常生活の基盤である家庭における食に関する理解を深めることにより、子供の食に関する自己管理能力の育成を目指す「フードバンク」を実施している。

5  帰国児童生徒・外国人の子供等への支援施策として、平成26年に学校教育法施行規則を一部改正し、日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別の教育課程」の編成・実施を促進している。

解答5 解説 令和3年7月に実施された東京都の問題からピックアップした。1:「スマート・スクール・プロジェクト」ではなく「GIGAスクール構想」である。また,一人一台端末は,小中学生が対象である。2:「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム」ではなく「若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラム(平成30年 2 月)(同 7 月改定)」である。3:「環境×SDGs一体推進パイロット・プログラム」ではなく「環境のための地球規模の学習及び観測プログラム(GLOBE)」である。4:「フードバンク」ではなく「つながる食育推進事業」である。

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