【教採合格体験記(2)】稲垣圭一さん

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稲垣圭一さん(沖縄県/小学校/2021年度採用)

 筆記試験対策で工夫したこと

 大学の教職課程で、小学校、中学校、高校の免許状を取得し、当初は中学校・社会科で受験しようと考えていました。でも、教育について知見を深める中で、生活指導に対する興味・関心が高まり、学級担任制の小学校教員を目指すことにしました。

 筆記試験対策で重視したのは過去問分析です。過去7~8年分の過去問を入手し、出題傾向を調べました。その結果、学習指導要領の目標からよく問われること、技能系教科については指導法まで問われること、ローカル問題が多く出されることなどが分かりました。

 なお、沖縄県の場合、1次試験の点数が2次に持ち越されません。そのため、筆記試験対策は合格ラインの7~8割を目標に据え、無駄なく効率的に進めるよう意識しました。

 論作文・面接対策で工夫したこと

 コロナ禍の影響で、2次試験は面接と模擬授業だけになりました。どちらも、4~5人のグループで大学の仲間と一緒に練習を重ね、互いにアドバイスを送り合いました。また、節目ごとに教職指導の先生の指導を仰ぎ、改善を重ねました。

 面接に臨むに当たって意識したのは、自らの回答に「それって何?」「だから何?」と自問自答をすることです。例えば、「どんな学級をつくりたいか」という質問に、ただ「支持的風土のある学級」と答えるだけでなく、具体的にどんな学級なのか、具体的にどんな指導をするのか―というように一歩踏み込んで考えました。そうして自問自答を繰り返すことで、自身の教育観を掘り下げ、回答の軸ができていきました。

 「教育新聞」の活用方法

 教育に対しては、誰もが一家言を持っていて、感覚で語ってしまいがちです。そうならないために、教育政策の「背景」を知り、根拠となるエビデンスを得ることが重要だと考え、大学3年の夏頃から「教育新聞」を購読しました。

 教育に関する情報は、ネット上のいろいろなメディアから収集できますが、それだけでは自分が気になる情報ばかりを見て、視点が偏ってしまいます。さまざまなニュースにバランス良く目を通し、自らの教育観を深める上でも、教育の専門紙を読むことは大切だと思います。

 受験者へのアドバイス

 教師という職業に就いて、ブレない「軸」を持つことの大切さを日々痛感しています。日々の指導の中では、それが揺らいでしまうことも少なくないからです。そうした「軸」をつくるために、私が意識しているのは、本を読むことです。教育に限らず、幅広い分野の本を読むことで視野を広げ、社会における学校教育の役割・機能を知ることが大切だと考えています。

 昨今は、教職に就いて数年のうちに辞めていく人も少なくありません。自身の経験だけを頼りに、学校教育を矮小化して捉えてしまうことで、現実とのギャップに苦しめられる人もいるように思います。教師という仕事をより広い視点から捉え、抱えている構造的な課題なども知っておくことで、厳しい現実に直面してもうまく立ち回れるように思います。


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