【集団討論の鉄則(2)】何について討論するのか

明海大学副学長/外国語学部教授/教職課程センター長 高野敬三
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 教員採用試験の集団討論で受験者が高得点を勝ち取るための鉄則について、第1回は「集団討論とは何か」「どのように実施されるか」について見ていきました。第2回目の今回は、集団討論の課題の実際、つまりどのような課題(テーマ)、言い換えれば「何について集団討論を行うか」について見ていくことにします。

 集団討論の課題(テーマ)

 集団討論の課題(テーマ)は、いずれも現状の学校や教育委員会において課題となっているものです。試験では、その解決を図るためにどのようにしたらよいか、それぞれの受験者の考えを聞くことを通じ、教壇に立って教えることや教師として適性があるか否かを、教育委員会が相対的・多面的に判断します。

 課題(テーマ)は、大きく5つに分けることができます。

 一つ目は、学習指導に関係することです。学力向上に関する取り組み、具体的には、「習熟の程度が低い子どもと高い子どもがいる学習集団に対してどのような工夫が必要か」などです。さらには、言語活動の充実を図るための取り組み、学習意欲の向上のための取り組み、アクティブ・ラーニングの充実のための取り組みなどもあります。

 二つ目は、児童・生徒指導に関することです。具体的には、いじめ、不登校への対応、社会性を育むための教育活動、規範意識を高めるための取り組み、道徳教育の充実のための取り組み、自己肯定感を育むための取り組みなどです。

 三つ目は、家庭・地域と学校との連携に関することです。児童虐待の早期発見・対応や保護者との信頼関係の構築のための取り組み、地域の文化・伝統を深めるための教育活動や学校・家庭・地域の連携協力の推進などです。

 四つ目は教師・学校に関することです。体罰の防止、セクハラや個人情報漏えいなど服務事故防止のための取り組み、保護者から信頼される学校・学級経営の在り方、安心・安全な学校づくりのための取り組みなどです。最近では、教師の働き方改革の推進のための方策などをテーマとして出題した自治体もあります。

 五つ目は、国やそれぞれの自治体が行っている教育施策に関することです。特別支援教育の推進、食育の推進、環境教育の推進、人権教育の充実、キャリア教育の推進、情報教育の充実、防災教育のための取り組み、グローバル化に対応した教育の推進、Society5.0を踏まえた教育の在り方、SDGsを達成するための教育の推進、GIGAスクールにおける教育の在り方などです。

 集団討論の課題(テーマ)については、これまで見てきたように、昨今の教育課題についてほぼ全域から出されており、こうした課題(テーマ)は論作文でもよく出題されます。

 前回も若干触れましたが、ここで注意しなければならないのは、出題される課題(テーマ)については多くの場合、状況設定がされることです。

 集団討論の課題(テーマ)の状況設定

 ここからは、ある自治体の例を紹介します。課題(テーマ)が受験者全員に示された後、面接官から、「あなた方は、それぞれ別の学校に所属しています。今日は、指導力向上のための研修でグループ活動を行っています。最初に2分与えますので、この課題に関する自分の意見を90秒で発表してください。なお、全員の発表が終わった後で、グループ内で校種や学年などを決め、この課題解決のための話し合いをしてください。メモ用紙にメモをとっても構いません」などのように状況設定がなされます。

 このような場合、課題(テーマ)について自分の意見を上手にまとめて時間内に発表することは大事です。一方で、他の受験者の意見も注意深く傾聴しておかないと、その後の討論がうまくいきません。

 また、課題(テーマ)に関して、集団討論の最後に、集団としての結論〇絶対外せない場面指導のポイント④を求める場合もあるので注意が必要です。

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