【集団討論の鉄則(3)】面接官が何を重視するのか

明海大学副学長/外国語学部教授/教職課程センター長 高野敬三
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 本連載の第2回では、集団討論において受験者が高得点を勝ち取るための鉄則として課題の実際、つまり「どのようなテーマで集団討論を行うか」について解説しました。今回は、集団討論において「面接官が何を重視するのか」について見ていくことにします。

 一般論として面接官が重視すること

 第1回目でも述べましたが、集団討論は筆記試験とは異なり、受験者の人物を見る試験です。また、受験者の教員としての資質・能力を客観的に見る個人面接とは異なり、面接官が複数の受験者が討論する様子を見て、受験者一人一人を多面的・相対的に見ていきます。従って、一般論としては、1グループの中で受験者がどのような行動を取るかに重きを置き、教員としての適性を見ます。大ざっぱな言い方をすれば、受験者が教員となったときに必要な協調性、コミュニケーション能力、表現力、論理性、積極性などが重視されると考えた方がよいでしょう。

実施要項等上に記載されている評価の観点

 一般論は上述した通りですが、実を言うと、各自治体が発表する教員採用試験の実施要項等の中には、具体的にどのような観点を重視するか、記載されている場合もあります。それでは、実際の実施要項を見てみましょう。

【東京都】

 集団討論(個人面接も含む)の主な観点として、「教職への理解、教科等の指導力、対応力、将来性、心身の健康と人間的な魅力等を評価する」と記載されています。

【埼玉県】

 埼玉県の集団討論(小学校・中学校・高等学校教員選考)の選考方針では、評価の観点として、

  (1)積極性(○自分の意見を進んで述べているか。○討論に意欲的に参加しているか)

  (2)コミュニケーション能力(○討論の進展に沿って、発言しているか。○他の人の意見を尊重しながら発言しているか)

  (3)貢献度(○方向性を示すなどして討論を活性化させたか。○テーマについて建設的な発言をしたか)

  (4)表現力(○発言が簡潔明瞭で、声量や速さが適当か。○相手が理解できるように工夫して発言しているか)

  (5)誠実さ(○言葉遣いが適切であるか。○礼儀正しく、落ち着きがあるか) 

などと示されています。

面接官が行う評価の実際(想定)

 埼玉県の例を少し詳しく解説すると、恐らく一人一人の面接官は、(1)の積極性について、1つ目の〇印の「自分の意見を進んで述べているか」について、絶対評価で5段階評価を行い、2つ目の〇印の「討論に意欲的に参加しているか」についても絶対評価で5段階評価を行います。そうして受験者ごとに(1)から(5)まで各2項目ずつ、つまり合計10項目の観点について5点満点で絶対評価を出します(満点は50点)。

 その後、別途面接官に配布された「相対評価分布・人数表(仮称)」に基づき相対評価で順位付けをします。例えば10人の受験者の集団討論だった場合、面接官は受験者の絶対評価の数値により、1番から10番までの順位を相対評価で決定するのではないかと考えます。その後、集団討論の会場でチームを組んだ面接官同士の協議を経て、10人全員の相対評価を確定するのではないかと考えます。

 これらは、2つの都県の実施要項などに示された評価の例ですが、大切なのは受験する自治体の実施要項などをきちんと確認して、集団討論では何が評価されるのかを事前に押さえることです。この評価に関する記載は、裏を返せば、面接官が何を重視するかに直結しています。各面接官は、教育委員会の面接官用マニュアルに基づいて評価をするのですから当たり前です。

 次回は、討論の進め方のポイントについて解説します。
 

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