【集団討論の鉄則(4)】討論の進め方のポイント①

明海大学副学長/外国語学部教授/教職課程センター長 高野敬三
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 第3回は、集団討論において面接官が何を重視するのかについて、実際の評価の観点に即して解説しました。続く第4回と第5回では、集団討論における討論の進め方のポイントについて見ていくこととします。

 第1回でも少し述べましたが、討論の流れは各自治体によって異なり、冒頭に面接官から指示される場合がほとんどです。例えば、討論の課題が提示された後、各受験者には考えをまとめる時間が与えられ、その後に面接官の指示に従い、準備のできた受験者から挙手で自分の考えを制限時間内で発表するような場合もあります。

 そうして全員の発表が終わると、面接官の指示を受けて討論に入ります。討論では、議論を進行するために司会者を立てるように指示されることもあれば、司会者を立てなくともよいと指示されることもあります。

課題・テーマに関して自身の考えをまとめるポイント

 集団討論の前に自分の考えを発表する場合は、制限時間内に、自分の考えをどのように整理するかに尽きます。ポイントとしては、まず、①その課題・テーマに関する現状を述べることです。例えば、テーマが「いじめ」に関することであれば、いじめの認知件数などを基に、現状がいかに深刻かを述べます。次に、②その現状の原因・背景などを学校・家庭・地域の実態などから述べます。そして最後に、③課題解決の方策を述べます。

 こうして「現状→原因・背景→課題解決の方策」の順に、要領良く考えをまとめることが大切です。勝手気ままに自分の考えを述べるのではなく、「組織体としての学校の中で働く教員として求められること」を主軸に述べることに留意しましょう。なお、通常は受験者にメモ用紙が配布されるケースが多いので、これを有効活用しましょう。

課題・テーマに関して自己の考えを発表する際のポイント

 面接試験では、緊張するのが当たり前です。しかも、集団討論という形式だと、他の受験者と同じ空間に席を並べるわけで、緊張感が極限にまで達することは容易に想像できます。自分以外の受験者が優秀に見えるのは当たり前です。そのため、緊張で声が極度に小さくなる人もいます。

 声の小ささは、自信のなさにつながります。日頃から練習を重ね、発言の際の声の大きさは普段の2倍程度以上になるようにしておきましょう。また、緊張したり自信がなかったりすると、とかく語尾が不明瞭になりがちです。発言の際には、「1文1文の語尾をはっきり&くっきりと力強く明瞭に発言する」ことが重要です。

 なお、冒頭の発表には多くの場合、時間制限が設けられています。東京都の場合は1分30秒ですが、1分程度の短い発表であることも多く、時間制限を超えた場合には評価点が低くなります。制限時間内に発言できるようにするためには、日頃からの練習が必要となります。なお、制限時間を超えた場合は、発表が制止されることとなりますので注意しましょう。

司会を立てることとなった場合

 結論から述べますが、自分が司会役をこなせる自信があれば、名乗り出ればよいと思います。そうでない場合は、無理をして司会進行役を務める必要はありません。司会進行役を買って出ることは、積極性という面で評価されると思いがちですが、討論を整理することができなかったり、自己の意見を十分に言えなかったりした場合は、逆に評価を下げることとなります。

集団討論における意見の述べ方のポイント

 第3回でも述べましたが、一般論として集団討論で重視されるのは、受験者が教員となったときに必要な協調性、コミュニケーション能力、表現力、論理性、積極性などです。

 討論の開始時、最初に挙手をして発言した方がよいと考えている受験生も多いと思いますが、必ずしもそうではありません。発言は、2番手でも3番手でも構いません。大切なのは発言内容です。

 また、討論の中で熱くなり、他の受験者の発言を攻撃的に批判するようなことは厳禁です。「Aさんの意見に賛成です」「Bさんの意見に反対です」などの発言もよく見受けますが、こうした発言もできるだけ避けるべきです。集団討論は「賛成」「反対」を議論する場ではなく、集団で討論して一つの解決策を模索する過程での受験者の発言内容等が大切なのです。

 受験者同士が意見をキャッチボールすることも大切なポイントの一つです。例えば、「Aさんのおっしゃる通りだと思いますが、別の視点から〇〇することも大切だと思います。Aさん(皆さん)、いかがでしょうか?」などと議論を深めていく姿勢を示せば、高く評価されます。

 次回は引き続き、討論の進め方のポイントについて見ていきます。

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