【絶対外せない場面指導のポイント(2)】「生徒がマスクをしていない!」と電話が…(質疑応答型)

共栄大学客員教授 中根政美
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 【出題】

 地域住民の方から「生徒が下校時にマスクをしていない。学校はどう指導しているんだ」と苦情の電話が入りました。どう対応しますか。

対応のポイントと質疑応答例

 学校にとって地域住民の方々との連携は重要です。学校の対応をどのようにご理解いただくか、対応力が求められる場面指導です。

 以下、「質疑応答型」の場面指導を想定して、面接官とのやりとりの模範例を示します。「まず」「次に」「そして」の3段階に基づいた回答ですので、そのことも踏まえながら読んでみてください。

面接官:職員室で電話に出ると、地域住民の方に「生徒が下校時にマスクをしていない。学校はどう指導しているんだ」と言われました。どう対応しますか?

受験者:まず、電話の内容をしっかりとお聞きします。次に、電話をいただいたこと、日頃から生徒の様子を見ていただいていることにお礼を言います。そして、学校では登下校時もできるだけマスクを着用するように指導していること、熱中症対策など体調によってはマスクを外してよいと指導していることなどをお伝えし、ご理解いただくようお願いします。

面接官:「グループでいつも話をしながら歩道をふさいでいる。マナーの指導もなっていない」と言われました。どうしますか?

受験者:登下校時のマナーについては、改めて指導することをお伝えします。また、そのような場合は、生徒に声掛けをしていただきたいことも伝えます。

面接官:それはなぜですか?

受験生:学校だけでなく、地域の方からも見守られていることを、生徒に理解させることが大事だと考えるからです。

外せないポイント①=傾聴

 地域住民の方からの電話への対応は緊張するものです。一番大切なのは傾聴する姿勢、そして日頃から学校に目を向けていただいていることにお礼を伝えることです。その上で、学校の指導方針を説明し、ご理解いただくことが対応の基本となります。

外せないポイント②=地域への協力依頼

 良い機会なので、地域の方の働き掛けも重要であることをお伝えします。具体的に、生徒の安全や命に関わる行動を目にしたときなどは、直接声掛けをしていただきたい旨を伝えます。そうすることで、児童生徒に「地域の方々にも見守られているんだ」ということを、理解させることができます。

外せないポイント③=報・連・相

 電話の内容は管理職らに報告し、学校全体の共通理解を踏まえて対応することを面接官に伝えます。「報告」「連絡」「相談」、いわゆるホウレンソウを実践していく姿勢が教員には求められています。

出題増加の場面指導、なぜ?

 教員採用試験における場面指導の出題が増加しています。多くは個人面接の中で出されますが、個別の場面指導の枠で出題されたり、論作文の中で問われたりすることもあります。

 なぜ、場面指導の出題が増加しているのでしょうか。それは、さまざまな教育課題や生徒指導に対応できる判断力と指導力が教師に求められているからです。児童生徒に寄り添い、適切な指導と対応ができる「即戦力」としての資質能力が昨今の教師には求められているのです。

 そのため、出題される場面の多くは、授業中や学校生活のリアルな場面であり、瞬時の判断と対応、指導が求められます。具体的に「授業中、児童が教室を飛び出しました。どうしますか?」「コロナ、コロナとはやし立てている生徒がいます。どう指導しますか?」など、学校の“あるある”の場面への対応力が、場面指導では問われるのです。

場面指導は大きく5つに分類できる

 場面指導では、事故やトラブルなどが発生した場面で、適切に判断・行動できる実践的な「対応力」と、児童生徒や保護者に共感的理解を示しながら粘り強く説得できる「コミュニケーション力」が評価されます。大きく分けると、①学級全体の児童生徒に対する指導②個別の児童生徒への指導③事故発生時の対応④保護者への対応⑤地域住民への対応――の5つに分類できます。

 どれが出題されるかは受験自治体によって異なるので、出題傾向を把握した上で準備しましょう。

実施形態は2種類

 場面指導の実施形態には、大きく「実演型」と「質疑応答型」の2種類があります。「実演型」は実際に面接官を児童生徒に見立てて、短時間の指導を文字通り「実演」するものです。ある自治体では、「2分間構想し、3分間指導を実演してください」のような例で出題されています。

 もう一つの「質疑応答型」は、個人面接等の中で「○○が起きた場合、どう対応しますか?」などと質問され、口頭で回答するものです。回答に対して面接官から再度の質問がなされ、より具体的かつ深い応答が求められることもあります。

対応は3段階でするのが基本

 課題・質問への回答では、「まず」「次に」「そして」の3段階で対応するのが基本です。「まず」場面の状況を把握し、対応します。「次に」具体的な対応策や指導を実演します。「そして」指導で重要なのはどのようなことなのか、そもそも何が重要なのかを面接官に伝えることになります。

 次回からはこの基本原則を踏まえながら、実際に出題された「場面」を想定し、「絶対外せない指導のポイント」を具体的に解説していきます。


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