【授業づくりのポイント(4)】授業づくりの進め方(中学・高校編)

東京学芸大学教授・櫻井眞治/東京学芸大学教授・宮内卓也
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1.授業づくりを始める

 教育実習でお世話になる学校から、担当する単元の知らせがあった。いよいよ授業の準備が始まり、期待と不安が交錯する。授業づくりは思っている以上に創造的な営みであり、楽しいものである。

 担当の教員と相談する機会があれば、事前に授業の方針を確認しておきたい。実習生にもそれぞれの授業観があると思われるが、担当の先生の授業方針に沿った年間計画の一部を担っているということを忘れてはならない。

2.学習指導要領と教科書

 学習指導要領は教育課程の大綱的基準であり、全ての生徒に対して指導する内容の範囲や程度などを示したものである。教育実習で担当する単元が決まると、狭い範囲で学習指導要領を参照しがちだが、まずは全体像を理解し、系統性や関連性を意識したい。

 また、教科書は学習指導要領に基づく検定を経ており、その目標と内容を具体化したものである。使用する教科書は地域や学校によって決まっているが、他社の教科書にも目を通すことをお勧めする。出版社によって、教材や展開が異なる場合があり、参考になる。「教科書」というと「型通りで融通が利かない」というイメージを持つ人もいるが、多くの議論を経て編集された教科書からは学ぶべき点も多い。

3.教材研究を始める

 教育実習生の中には、すぐに素材集めに走ったり、安易に受験参考書の紙面を参照したりする人がいるが、前のめりにならないようにする必要がある。まずは、学習指導要領の内容を踏まえて、「何のために何を教えるのか」を明確にする。

 その上で、自分が担当しようとしている単元の周辺について、専門的な知見を深めておきたい。中学校、高校は教科担任制であり、それぞれの教員は授業で扱う内容を上回る豊かなバックグランドを持つことが期待される。教科書や参考書などに目を通すだけでなく、関連する専門的な書籍や文献にも手を伸ばしておきたい。そうした過程で、おのずと活用できそうな素材が数多く集まってくることだろう。多くの素材を集めたからといって、全てが教材になるわけではないが、その裾野が広ければ広いほど、活用する教材の質はもちろん、授業の質も高いものになるはずである。

 参照するものには、学習指導要領、教科書、指導書(教科書会社が解説用に発刊しているもの)、専門的な文献、書籍、ウェブ上の情報など多岐にわたるが、情報の出所を明らかにしておく必要がある。また、実験や実習を行う場合は、文献などの記述だけをうのみにせず、事前に授業と同じ条件で実施し、円滑に行うことができることを必ず確認しておきたい。

(第4回担当・宮内卓也)


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