【神谷正孝の教育時事2022(6)】試験に出る安全教育~その1

kei塾主任講師 神谷 正孝

 皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。さて、今回のテーマは、教育時事の中の重要テーマの一つである「安全教育」についてです。学校安全は、「学校保健」「学校給食」とともに、「学校健康教育」の一つとして捉えられている重要な分野です。南海トラフ地震など予測される大規模な災害への備えが重要視される自治体では特に出題の頻度が高まっています。それらを確認しつつ、採用試験に出題されそうな内容について整理しておきます。

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 昨年までの試験を振り返ると、筆記試験では、答申や文科省の資料などの引用部分の空所補充形式や正誤問題、学校保健安全法に関する問題、防災教育や安全教育・指導全般についての正誤問題など幅広く出題されています。また、論文や討論テーマとして「防災教育」や「危機管理」が問われることもあります。

 各種資料に当たる前に、基本を確認しておきましょう。学校安全は3つの領域に分かれます。すなわち、学校生活や日常生活の安全である「生活安全」、通学も含めた「交通安全」、防災に関わる「災害安全」です。そしてそれぞれに、安全教育・安全管理・組織活動の3つの活動があります。3つの領域を押さえた上で、養護教諭を目指す方は3つの全ての活動を、そうでない方は安全教育と安全管理の2つを中心に押さえる必要があります。

関係法令

 学校安全に関わる法令は学校保健安全法の別掲の部分です。必ずしも全部を押さえる必要はありませんが、「学校安全計画」「危険等発生時対処要領」については頻出ですので、正誤判断や空欄補充できるように備えましょう。

「学校安全資料『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(文科省)

 安全教育に関しては、「学校安全資料『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育 改訂2版(2019年)」からよく出題されています。安全教育を通じて育成すべき資質能力について、以下のように示されています。

 知識・技能の面では、「様々な自然災害や事件・事故等の危険性、安全で安心な社会づくりの意義を理解し、安全な生活を実現するために必要な知識や技能を身に付けている」ことを示し、思考力・判断力・表現力などの面では「自らの安全の状況を適切に評価するとともに、必要な情報を収集し、安全な生活を実現するために何が必要かを考え、適切に意思決定し、行動するために必要な力を身に付けている」ことを示しています。最後の「学びに向かう力・人間性等」の観点においては、「安全に関する様々な課題に関心を持ち、主体的に自他の安全な生活を実現しようとしたり、安全で安心な社会づくりに貢献しようとしたりする態度を身に付けている」ことを示しています。

 また、この資料では、安全教育の具体的な内容と進め方が示されており、「児童生徒等が安全上の課題について自ら考え、主体的な行動につながるような工夫が必要である」としています。一読しておきましょう。

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 以上、安全教育の要点を見てきましたが、2022年2月に中教審から「第3次学校安全の推進に関する計画の策定について」という答申が出されました。これは国が定める計画の下地となるものであり、今年の試験で重要な内容です。次回は、この資料の読み取りを通して「学校安全」を深めたいと思います。

1.次の文は「学校安全資料『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(平成31年3月文部科学省)の一部である。( 1 )~( 5 )に入る語句をあとの語群ア~ケから選び,記号で答えなさい。

学校安全は,学校保健,( 1 )とともに学校健康教育の3領域の1つであり,それぞれが独自の機能を担いつつ,相互に関連を図りながら,児童生徒等の健康や安全を確保するとともに,生涯にわたり,自らの心身の健康を育み,安全を確保することのできる基礎的な素養を育成していくために一体的に取り組まれている。

学校安全のねらいは,児童生徒等が,( 2 )を基盤として,自ら安全に行動し,他の人や社会の安全に貢献できる資質・能力を育成するとともに,児童生徒等の安全を確保するための環境を整えることである。

学校安全の領域としては,「生活安全」「交通安全」「災害安全(防災と同義。以下同じ。)」の3つの領域が挙げられる。

①「生活安全」:学校・家庭など日常生活で起こる( 3 )を取り扱う。誘拐や傷害などの犯罪被害防止も含まれる。

②「交通安全」:様々な交通場面における危険と安全,事故防止が含まれる。

③「災害安全」:地震・津波災害,火山災害,風水(雪)害等の自然災害に加え,火災や原子力災害も含まれる。

加えて,近年,( 4 )の普及など児童生徒等を取り巻く環境の変化や学校を標的とした新たな( 5 )も懸念されている。学校を取り巻く( 5 )は,時代や社会の変化に伴って変わっていくものであり,従来想定されなかった新たな( 5 )の出現などに応じて,学校安全の在り方を柔軟に見直していくことが必要である。

ア インターネット  イ スマートフォンやSNS  ウ 事故 エ 自他の生命尊重  

オ 学校給食    カ 事件・事故    キ 食育  ク 生きる力 

ケ 思考力・判断力・表現力等  コ 危機事象  サ 安全課題 

解答 1:オ 2:エ 3:カ 4:イ 5コ

2.学校安全に関する説明として,適切なものを選びなさい。

1.学校安全は,校内生活の安全・交通安全・災害安全の3つに分かれ,通常,学校外の生活安全は指導対象に含まれない。

2.学校安全の実施は,安全教育・安全管理・組織活動の3つに分けられる。

3.安全教育は,体育・健康に関する指導として,体育・保健体育科の授業の中でのみ実施されている。

4.通学路の安全管理は,通常その道路を管轄している市町村や都道府県が行うべきであり,通学路における安全指導は通常,警察に委ねられている。

5.学校と地域の連携による防災訓練は,個人情報保護の観点から様々な問題が生じることが予測されるため,実施に当たっては慎重に検討すべきである。

解答2 [解説]1:生活安全の中には,日常生活の安全として防犯なども含まれる。3:体育・健康に関する指導の中に位置づけられるが,学校の教育活動全体を通じて行われるべきである。4:通学路の安全指導も学校で行う。5:地域連携による防災訓練は,新しい訓練の在り方として重要視されている。

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