【授業づくりのポイント(7)】「MY授業記録」を作成して授業を見る(小学校編)

東京学芸大学教授・櫻井眞治/東京学芸大学教授・宮内卓也
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「MY授業記録」の作成

 筆者は授業を見る際、子供の学習活動の様子(発言、つぶやき、ノート作業など)、教師の活動(発言、板書、資料提示など)について、手書きの記録を作成しながら授業展開を追っている。色ペンで線を引いたり、ショートコメントを書き込んだりしていく。例えば、「これは良い姿だ。よい働き掛けだ」と捉えたことは赤ペンで、「気になる姿だ。どうすればよかったのだろう?」と捉えたことは青ペンで記述している。

 目の前で展開する授業を記録するには経験が必要だが、必要なことは子供や教師の言葉を漏れなく書き取ることではない。書くことを通して、授業をしっかりと見る、心に刻むことだ。「これは、書いておきたい。書かなければ」と思ったことには、参観者自身の経験、教育観、子供観、授業観などが強く反映する。図を入れたり、イラストを加えたりといった記録方法でもよい。だからこそ、「MY(マイ)授業記録」なのである。

子供の学ぶ姿から、授業の良さや課題を発見する

 やはり、本時の学習問題(本時の目標)に、子供と教師がどのように迫っていくのか、何を生み出すのかに注目していきたい。例えば「子供の考えがどのように変化していくのか。教師はどのように支えているのか」などである。

 教育実習当初は、教師の活動に目が向くことであろう。「どんな発問をするのか。どんな資料を提示するのか。どのように板書するのか」などである。もちろん、このような段階を経ることは必然だが、最終的には「子供がどのように学んでいるのか」に注目するようにしてほしい。

 子供の表情はどこで変化したのか。どんなことをつぶやいたのか。子供に戸惑いや困りはないか。友達との関わり合いはどのようなものか」などである。

 このような子供の姿を丁寧に追っていくと、おのずと教師の授業構想や支えに光が当たってくる。つまり、子供の学ぶ姿から、授業の良さや課題、改善案などが明らかになってくるのである。

「授業を見ること」が開くもの

 「授業を見ること」は、次のようなことにつながっていく。一つ目は、「MY授業記録」を基に協議することによって、他の参観者との見方の違いに出合い、一つの授業をさまざまな視点から見ることである。先述した赤ペンと青ペンの箇所、ショートコメントの内容もきっと異なっている。この経験は、自分の授業づくりに生きる。

 二つ目は、授業者にすてきな子供の姿をプレゼントしたり、授業の難しさについて共に考えたりしていくことである。子供に対し「〇〇さん、迷いながら深く考えていたね」とフィードバックすることもできる。

 「MY授業記録」を工夫することを通して「授業を見る目」を鍛え、「私の授業づくり」をより良くしていってほしい。

(第7回担当・櫻井眞治)


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