【実例で学ぶ論作文講座(8)】出題が予想されるキーワード/本番当日の時間配分

明海大学外国語学部教授/教職課程センター副センター長 大池公紀
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 今回は、前半で論“策”文で出題が予想されるキーワードを示し、後半は試験を「始め!」と言われた後の時間配分などについて解説します。

1.2022年度実施試験で出題が予想されるキーワード

 筆記試験と同様に、論作文試験のテーマも時代を反映します。新型コロナウイルスによって大きく変容した日本の教育現場の姿が、そのまま出題テーマに反映される可能性もあります。

 例えば、21年度は名古屋市が、「新型コロナウイルス感染症の流行により、社会全体が大きな影響を受け、私たちの生活も変更を余儀なくされています。これらの状況の中で、あなたが強く感じたことをもとにテーマを設定し、その内容をあなたの教育観と関わらせて論述しなさい」という出題を出しました。やや冒険的とも言える出題内容でしたが、22年度も「コロナ(感染症)対策)」が出題される可能性は十分にあるので、それなりの準備が求められます。

 以下にお示しするのは、過去2年間で教育課題としてクローズアップされたキーワードです。これらのキーワードを想定して、対策するのもお勧めです。面接や場面指導などで問われる可能性も大いにありますので、これらを意識しながら取り組んでください。

2.本番当日、「始め!」と言われた後

 本番当日、試験官から「始め!」と言われた後、どのように文章を書き上げるかについて、「800字 60分」の試験を想定して解説します。本連載の第7回で述べたように、試験開始までにあなたの頭の中には5つの論作文、序論5パターン、本論10パターン、結論5パターンが入っている状態です。

 60分は、次のように時間配分をします。

(1)論作文の構成をじっくり考え、完璧な構想を作成する【10分】

(2)構想を基に丁寧に書き写す【45分】

(3)誤字脱字などの細部を見直し整形する【5分】

(1)構想の作成【10分】

 最初の10分で、頭の中にある5つの論作文を基に、出題テーマに沿ってアレンジを加え、「完璧な構想」を作成します。具体的に書く内容を箇条書きにしていくのです。

 構想用の用紙が配られる自治体もありますが、それがない場合は問題文の余白などを活用します。この10分間の構想作成が最も大切な時間です。じっくりと練ってください。序論で何を書き、本論で何を書き、策はどれを使い、結論でどう決意表明するかを構想し、書き記します。

 周囲からはカリカリと鉛筆音が聞こえてくるでしょう。当然、心は揺れますが、ここは我慢です。あなたのこれまでの努力は、この10分間にかかっています。

 ただし、この「完璧な構想」の作成には、慣れが必要です。この10分を含めた形で実践練習を積んでください。

(2)書き写し【45分】

 原稿用紙に書き始める前にやることがあります。それは「黄金比」(第2回参照)にのっとって印を原稿用紙の端に入れることです。その印が、序論・本論・結論をそこまで書くという目安となります。記入に夢中になり、鉄則を忘れてしまうリスクを回避するための「ここら辺までだぞ!」と警告をしてくれる印を入れるわけです。

 その後、構想を基に書き進めていきます。構想を見ながら全体を膨らませて清書していくような感じです。しっかりした構想が出来上がっていれば、この45分間は決して慌てることはありません。全て計画通りに進行できます。

(3)細部見直し【5分】

 この5分は全体の形を整える時間です。当日は時間配分が後ろにずれることもありますが、3分でもよいので必ずこの時間を確保してください。確認すべきポイントは以下のような点です。

 ○誤字脱字はないか

 ○文体は、常体(だ・である調)で統一されているか

 ○「第一に」「第二に」「はじめに」「次に」など文章の整合性が取れているか

 ○段落の区切り(1マス空き)が適切にされているか

 この段階で大きな修正は難しいですが、最終的には「強い」文章になるように手を加えます。

【ちょこっとコラム6 管理職の好きな「協働」「報連相」を使うべし】

 ぜひ使ってほしいのが、管理職が好きな「協働」「報連相」などの言葉です。なぜ、これらの言葉を使うべきなのか、それは学校教育が組織で運営されていることを「私は知っていますよ!」と読み手にアピールするためです。答案を最初に採点するであろう管理職の人たちは、いくら立派な実践を述べていても、「組織で動けない人物はいらない」と考えています。1回だけでも構いません。本論の後半部や結論部分でこの言葉を使ってください。


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