【授業づくりのポイント(8)】授業観察のポイント(中学校・高校編)

東京学芸大学教授・櫻井眞治/東京学芸大学教授・宮内卓也
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授業観察の意義と心構え

 授業観察はさまざまな実践を知り、生徒の実態を把握する良い機会である。ベテラン、若手を問わず、「見せていただく」という謙虚さを大切にしたい。また、「自分だったらどうするか」という視点を持つことも重要で、当事者意識を欠いた評論は無益である。授業観が異なった授業でも、授業者の意図を推し量ることは大切であり、うまくいかない授業でもその要因を探ることに意義がある。

礼儀を大切にする

 観察依頼は実習校のやり方に従い、できれば事前に授業者にあいさつし、許可をもらっておくとよい。また、授業前後のあいさつも欠かしてはならない。ただし、授業者は準備や片付け、生徒対応で忙しいので、タイミングを計るようにする。

 授業を参観させてもらう立場なので、場を乱さぬことが肝要である。開始時刻前に集合するのはもちろん、私語を慎み、生徒への声掛けは行わない。時折、生徒の質問などに応じる参観者を見掛けるが、感心しない。

 参観中は生徒の視線や動線を妨げぬようにする。ただ、机間を歩いたり、班活動の場に近づいたりするのは有益なので、どの程度許容されるか事前に確かめておくとよい。

授業観察の準備

 服装は、スーツを基本としたフォーマルなものが原則。持ち物は、色付きの筆記具を数本と記録用のノート類を用意しておく。起立状態が続くので、ボードがあるとよい。許可されれば、記録用にタブレット端末を用いることも考えられる。ただし、写真撮影などは制限がある場合がほとんどなので、許可なく授業の様子を撮影してはならない。

 可能なら授業で使用する教科書を用意し、事前に扱う単元が明示されていれば、学習指導要領や教科書の当該部分を読み込んでおくとよい。

授業観察の立ち位置と観察記録

 一般に教室の後ろから観察するケースが多いが、教師と生徒で授業がつくられていることを考えると、本来は両者が見える場所がよい。例えば、教室の側面に立つというのも一つの方法である。また、班活動においては、班員の様子がよく見える場所が望ましい。ただ、教室の形状や机の配置などによっては難しい場合もあるので、事前に授業者に相談しておくとよい。

 授業記録は、時系列に沿って学習活動と教師の指導、支援を簡潔に記録する。同時に、共感したことや感心したこと、疑問に感じたこと、改善が必要だと思ったこと、気付いたことなどを色分けしながら記録するとよい。授業終了後に、授業の全体的な印象を合わせて書き留めておくと、後々の振り返りの際に大いに役立つ。

授業観察の後で

 授業観察後、授業者に余裕があれば、気になったことを質問してみるとよい。観察者が気付かなかった視点が得られることも多い。協議会などがある場合は、ぜひ参加しよう。良い授業を見ても観察者の力量以上のものは見えてこないので、アップデートを図る上でも協議会への参加は欠かせない。

(第8回担当・宮内卓也)


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