【絶対外せない場面指導のポイント(9)】身体的特徴をからかう生徒への対応(実演型)

共栄大学客員教授 中根政美
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 【出題】

 あなたは中学校1年生の担任です。学級の中に身体的特徴をからかったり、相手を傷つけるような言葉を放ったりする生徒がいます。担任としてこの生徒にどのような指導をしますか?

対応のポイントと質疑応答

 「学級の中に身体的特徴をからかったり、相手を傷つけるような言葉を放ったりする生徒がいる」という場面への対応です。いじめ防止も含め人権意識をどう育むか、心に響く指導が求められる場面指導と言えます。

 実演に際しては、まず生徒から話を聞き、からかったりする理由を把握します。その上で、いじめや人権侵害に当たることを理解させ、繰り返さないことを約束させます。実際の対応は、教育相談室など個別に話を聞ける場で指導します。

受験者:Bさん、なぜ身体のことをからかったり傷つけたりするようなことを言ったりするのですか? 言われた人がどんなに嫌な思いをしているか、分かりますか?

面接官:俺だけじゃない。みんな言ってるよ。

受験者:そうですか。では、他の人のことも確認します。でも今は、先生はBさんに理解してほしいのです。なぜ、言ったりしてはいけないのか分かりますか? そう、分かるんですね。いじめになるし、言われた人は心に深い傷を負います。それも、いつまでも忘れることのないつらい思いです。

面接官:僕だって言われたんだ!

受験者:よく話してくれましたね。その時に感じた嫌な思いやつらい気持ちを思い出してください。もう繰り返しませんね。これからは、言う人がいたら止めてくれますか?そう、ありがとう。安心しました。一人一人にとって、居心地の良い学級にしようね。

外せないポイント①=傾聴し、理由と実態を把握

 身体的特徴をからかったり、嫌がることを言ったりするのは、いじめであり人権侵害です。気付いたら担任として毅然(きぜん)と注意し、放課後などに時間を取って、じっくりと指導します。こうした教師の対応が、いじめを生まない人間関係をつくるのだという強い気持ちを持って演じてください。

外せないポイント②=共感的理解も必要

 実は、本人自身が同様にからかわれたり嫌な言葉を言われてきたりしているケースも少なくありません。だからこそ生徒の話を傾聴し、寄り添った指導が求められます。話してくれたことを褒め、繰り返さないことを約束させます。

外せないポイント③=周囲が許さない学級経営

 重要なのは、周囲の児童生徒が悪口に気付いたら、それを許さない学級の雰囲気を醸成することです。傍観者ではなく、当事者意識を持たせ、支持的風土のある学級経営に努めることを、面接官に伝えます。


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