【授業づくりのポイント(10)】教育実習を終え、採用試験に臨む~教育実習を終えた学生の声から~(中学校・高校編)

東京学芸大学教授・櫻井眞治/東京学芸大学教授・宮内卓也
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教員採用試験に向けて

 「始まる前は時間がなくて、採用試験が近いこの時期になんで教育実習があるんだろうと思ったことがありましたが、子供たちのパワーは最強で、採用試験に向けても、教育実習行ってよかった、という気持ちが今は明らかに大きいです」

 これは、6月の教育実習に参加した学生のコメントです。採用試験の準備と教育実習が重なり、忙しい毎日だったことと推察しますが、得たものの大きさを感じるコメントです。毎年、「教員採用試験の準備と教育実習の両立が心配です」という声を聞くことがありますが、多くの先輩が通って来た道でもあります。忙しいのは確かですが、教育実習を通して学べること、感じることはそれ以上に大きく、採用試験の中でも大いに語ることができるのではないかと思います。

教育実習から得られるもの

 「教師としてのやりがいを感じる一方で、自分の授業力を高めていかなければならないと感じるきっかけになりました。悔やまれる点もありましたが、本実習を通して教職に就くという意思がより明確になりました」

 こちらも、教育実習に参加した学生のコメントです。日々の生徒との関わりの中でやりがいを実感しつつ、自分自身の力不足を感じている様子が伝わってきます。こうした経験を通して教職に就く意思を固め、研さんに励もうとしている姿に胸が熱くなります。

 教育実習は3週間程度ですので、もちろん教師として必要な資質・能力の全てが身に付くわけではありません。限られた経験の中で教職の魅力を感じ、自分自身のこれからの課題を意識することができたとすれば、実習の目的は十分に達せられたものと思います。また、採用試験においても、経験の中から語られた言葉は面接官などにしっかりと届くはずです。

 教育実習について語るときは、うまくいったことを話題にしてももちろん構いませんが、うまくいかなかったことや苦労したことなどから、感じたこと、学んだことを語ることにも意義があります。

教員の適性を考えるときに

 教育実習を通して「自分は教師に向いているのだろうか」という問いは誰しもが直面することでしょう。理想の教師像を高く掲げ過ぎ、その像に拘泥している学生を見掛けることもあります。生徒も多様なのですから、教師も多様であってよいと思います。責任のある仕事なので、ベースとなる資質・能力は必要ですが、それだけでなく、皆さんのそれぞれの強みを発揮し、すてきな教師になってください。

(第10回担当・宮内卓也)


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