論作文―直前対策を考える 教員着任後の展望が大事

 今夏の教採試験の本番まではあと1カ月となった。ここでは、「ここだけは押さえて試験に臨みたい論文対策」を見てみよう。

「子供のためにできることは何か」を考える

 「魅力的な授業とはどのような授業であるか」―。論作文や面接でよく出される課題である。このような課題が論作文で出された場合、教採試験の受験者であれば具体的な取り組みとともに多様な考えが浮かぶことであろう。だが、それを文章にまとめる、しかも一定の字数と時間内で執筆するとなると、やはり難しい。

 まず、課題が提出される。それを見て、いろいろな考えが頭に浮かび、どのように論じていくか検討していく。その際に大切なのは、「素晴らしい内容の論文を書こう」などとはできるだけ思わないことだ。気負ってしまい、なかなか書き始められなくなってしまう。書き始められたとしても果たしてこのような内容でいいのかどうか迷ってしまう。複雑化、困難化していると言われる学校現場では、何が「素晴らしい」内容となるのか、簡単に言えるものではない。

 まして採点官は、校長であることが多い。これまでに多様な経験を積んできている。学校現場での経験が浅い受験者がどのような論を展開したとしても、採点官をうならせる内容にはならないだろう。

 では、どうするか。論作文では採点する際、課題に対する分析力、そしてその課題に対して教員になったらどのように対峙していくかという姿勢をみることが中心となるという。

 従って、次のことに留意していこう。まず「子供のためにどうなのか」を考える。そして、「自分ならこのような取り組みをする」ということを書く。自分が子供のためにできることは何かを考え、そのためにはこのようなことをしたいのだ、ということを書いていく。それが「素晴らしい内容かどうか」はあまり重要ではない。できれば、具体的な取り組みを2、3交えながら、「こういうことをやってみたい」と意欲を示すとよいだろう。

書き始める前に分量を決める

 そして、論文を書くときには、できるだけ難しい言葉を用いないようにしたい。論文のトーンは最初から最後まで統一した方がいいので、難しい言葉を使うと、全体がとても硬い調子になりがちだ。次の言葉がなかなか出てこなくなることもある。あまりくだけてしまってもよくないが、例えば、「認識」ではなく、「知る」「気付く」でよい。いわゆる外来語もよく使われるようになったが、これも控えめにした方がよい。採点官によっては、使い過ぎると嫌われることもある。

 書き始める前に論文の構成を考えることも重要だ。例えば、次のようである。

 (1)論文の中心的な主張を記述する。

 (2)その主張に沿った具体的活動内容を箇条書きで述べる。

 (3)なぜその活動をするのかを一つずつ説明する。

 (4)締めくくりの言葉を述べる。

 構成がまとまってきたら、大体の分量も決める。字数が1000字であったら、
(1)と(4)は100~150字ずつ、(2)と(3)は300~400字ずつなどと決めておくと書きやすくなる。

 読みやすい、分かりやすい文章を心掛けることも、採点官の目を引く上で重要だ。そのためには、 「1文はできるだけ短く書く」「一つの段落は大体3~5行程度」「箇条書きを適切に取り入れる」などを念頭に文章を書くと読みやすくなるとともに、その主張もはっきりしてくるものだ。

 最後に、本番までのわずかな期間でやっておきたいことは、「教師になってからの展望」をまとめておくことである。自分が学級担任になったらどのような学級にしたいか、分かる授業を実現するためにどのような取り組みをしていくか、自分が目指す教師像はどのようなものか、これらを考えておこう。どのような課題であっても、自分の展望を織り込むことで、内容が具体的になり、説得力のある論文になる。これなら、あと1カ月でもできることだ。

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