コツをつかんで対応を すぐに使える○回答―ダイジェスト

 今夏の教採試験本番まであと1カ月。主に面接などですぐに役立つものとして、本紙連載中の「面接の○回答×回答―合格の成否を分かつ決め手」から、模範回答をダイジェストで紹介する。○回答とそのコメントから、回答のコツをつかみたい。

■志望動機・人間性■

▽学び続けようとする気概を

質問

 「教師の使命感」が強調されていますが、あなたが考える「教師の使命感」とはどのようなものですか。

○回答

 教える内容や技術を磨き続ける気概と学ぶ側に立って子どもを見つめ続ける気概です。

 まず、教えることを知り、技術を磨くことについて申し上げます。道を聞かれたとき、目的地までの道順を知らなければ教えられません。私は、道を知らない子どもたちに目的地を示し、どのような方法で到達するのか選ばせ、支援する技術を磨く努力を続けます。

 さらに、教えたつもりでも本当に分かっているかどうか、個々に分かり方に違いがあるので確認します。一人一人の子どもの実態を押さえた学ぶ側に立つ努力を続けます。このように子どもとともに教師として成長しようとする意欲や気概が私の考える教師の使命感です。

[コメント]

 とても力強い答えです。「進みつつある教師のみ人を教える権利あり」と言われます。使命感や教師像の問題は、あなたの生き方を問うていると考えてよいでしょう。学び続けようとする気概を、自分らしい表現で伝えられるようにしておくといいです。これは面接だけでなく、論文作成上でも重要です。教師を目指す基本理念として、確かな考えをもって望むことです。

▽焦点化した話ができるように

質問

 教職への熱意を語ってください。

○回答

 私が教師として、最も重視したいことは授業です。毎日新しい発見を期待して来る目の前の子どもに、感動体験をさせられる授業づくりの努力をします。

 超えるべきハードルを子どもに見えるようします。そして、できた喜びをともにし、次の課題に挑戦させます。

 次に、その子なりの「まだ」と「もう」を明確にし、活動の場の工夫をします。そこに学習内容や自分への新たな気付きがあり、感動が次への「やる気」につながると考えています。先輩の教師や子どもに学ぶプロの教師を目指します。

[コメント]

 この例は、教職への熱意を語る自己PR問題です。目指す教師像をもとにして、授業づくりについて分かりやすく考えをまとめています。何をもとに話すのか、焦点化した話ができるように準備しておきます。

 自己PRの準備では、自分の経験や体験、自分の長所や性格が教師に向いているところ、目指す教師像などについて、1分程度にまとめるトレーニングが重要です。

■学級経営・生徒指導■

▽凝集性と生産性を打ち出す

質問

 クラスを受け持ったとき、学級目標は何にしますか。

○回答

 「よく考え、互いに協力し、よりよくしよう」を学級で話し合って目標にし、実行できる学級を目指します。

 それは、今よりもよくする方法を考えようとする、前向きな向上心を学級づくりの柱にしたいからです。

 次に、とにかく学級内の人間関係がうまくつくることができない今の子どもたちに、人と関わる活動を通して、助け合いや支え合いの大切さや心地よさを体験させたいと考えました。

 このように、よい学級づくりには、学級として目標に向かって協力する力と、実践できる力の向上が特に重要だと考えます。

[コメント]

 この問題は、学級づくりについてどのような考えを持っているのかを問うています。この回答のように、学級としてまとまる凝集性と、よりよいものを求める生産性は、よい学級づくりのポイントです。

 さらにこれとつなげて、学習指導や生徒指導についても、自分の考えをまとめておくとよいでしょう。

▽回答の根拠や意図が大事

質問

 新任で学級担任を持つならどの学年からスタートしたいですか。

○回答

 与えられた学年を全力投球で頑張る覚悟です。もし許されるなら、中学年からスタートできたらうれしいです。行動的で活動を通して考える子どもたちに引かれます。

 教育実習も4年の学級でした。子どもらしい発想での問題解決やその子らしい表現の発表がとても印象的です。

 私は、子どもと共に汗をかき、笑ったり悩んだりして、体当たりの学級経営をしたいと考えています。3・4年の学級で心の通い合う学級づくりを学びたいと考えます。

[コメント]

 謙虚な中に新任としてこれからの抱負が述べられています。自信と力強さが伝わってきます。

 この手の質問は、勘違いすると回答がピント外れになりやすいので気を付けなくてはいけません。学年は質問のきっかけをつくってくれていると考えた方がいいでしょう。学年を聞いているのではなく、むしろ答えた学年の根拠やその心構えに重点を置いた答え方が求められているのです。そこを意識した回答が大切です。

▽迅速な組織としての対応を

質問

 子どもがふざけ合っていて、シャープペンが目に刺さってしまいました。どのように対応しますか。

○回答

 授業中の事故を想定して申し上げます。けがをした子どもを保健室に連れて行きます。

 その際、他の子どもたちには自習の課題を出し、隣の担任に声を掛けて行きます。けがの状況を校長に報告し指示を受け、眼科医の診断を受けさせます。

 事実確認をし、校長への報告と相談をしてから、対象児童の保護者に連絡します。保護者に過度の心配を掛けないように丁寧に連絡します。また、加害児童の保護者への連絡をします。

 学級では事故の再発防止の指導をします。その後この事故の課題をまとめて報告します。

[コメント]

 事故発生時の対応の仕方が、担任の単独行動ではなく組織で対応しようとしている点がよいです。

 ポイントは、命の重みを意識した迅速な対応と他の児童への指導、管理職への連絡、保護者への迅速かつ丁寧な対応です。

 日頃の危険予知指導と事故対応シミュレーションがあると、冷静で迅速かつ丁寧な対応ができるようになります。

▽内面からの変容を促していく

質問

 指導に従わない子どもにどのように対応しますか。

○回答

 まず、「子どもに心をひらく」ことを大事にします。従わない子にはその子なりの言い分があるはずです。

 教師も変わろうとしている真剣な姿で問題を受け止めて、ぶつかっていきます。

 イエスとノーをはっきりさせ、逃げないで話を聞き、できることから始めます。

 次に、「子どもの心をひらく」ことに力を入れます。本人や学級の子どもとの関わりや子ども同士の関わりの改善を目指します。

 休み時間や放課後に子どもと一緒に遊びます。子どもと触れ合い、その子のよさを褒め、広めます。一緒にできた心地よさの体験を共有することで、その子も学級も変わってくると信じています。

[コメント]

 「担任教師が変われば子どもも変わる」という教師としての信念と力強さが伝わってきます。

 力で従わせるのではなく、内面からの変容を促すポイントを押さえています。それを、自分の言葉で表現できるようにするには、回答を練り上げる作業をすることです。

■学習指導・教材研究■

▽考えを整理しておこう

質問

 授業に興味を持たせるためには、日頃からどのようなことをすればよいでしょうか。

○回答

 授業に興味を持たせるためには、多くの視点がありますが、中でも日頃から次の3点を大切にして指導します。

 1つ目は、毎時間の到達すべき目標を、子どもに分かるように示してやります。

 2つ目は、どのような方法で問題解決ができるか、子どもに考えさせる場と時間を確保してやります。

 3つ目は、その活動に適した教材作りに力を入れます。

 もちろん、これらのことが機能するためには、学び合い支え合う学級作りが基本になっています。

[コメント]

 魅力ある授業づくりへの考えが明確になっています。「よい授業とは」「授業改善の方法は」とよく出る面接問題や論文作成にも使える視点です。自分なりの論理を組み立てておくと、活用範囲が広がり、説得力のある回答ができます。ぜひ考えを整理しておきましょう。

 キーワードは、「狙い、活動の場、教材作り」です。

▽抽象的な回答にならないように

質問

 魅力ある授業はどのようなものでしょうか。その実現のためにあなたは何を努力できるでしょうか。

○回答

 教師には、「教えたい」授業の狙いがあります。子どもには「学びたい」ことがあります。魅力ある授業は、「教えたい」内容が「学びたい」ことに、おいしく料理されていく過程だと考えます。学習材を子どもと教師で料理しておいしく作り上げていく共同作業です。

 そのために、次の2点を努力していきたいと考えます。

 1つは、子どもとのやりとりがうまくでき、笑顔で関われるパフォーマンスがきるように、演劇などから学びたいと思います。2つ目は、授業の進め方を身に付けようと考え、現場のベテランの先生方の授業参観の機会を多く得たいと考えます。

[コメント]

 「よい授業は」「魅力ある授業は」というような質問は、自分なりの定義ができていないと抽象的な答えになってしまいます。どのような条件が満たされていた時に言えるのかを整理しておくのです。例えば、授業づくりの視点で整理します。発問、板書、資料活用、話し合い、パフォーマンスなどがどうであればよいと言えるのか、自分なりの考えをまとめておくのです。オリジナルな答えができるようになります。

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