【神谷正孝の教育時事2022(11)】人物試験直前対策その1 「教員に関わる時事的話題」についての回答のポイント

kei塾主任講師 神谷 正孝

 皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。今回は2次試験で問われる教育時事のポイントを解説します。

◇ ◇ ◇

 私は受講生の面接カードなどを添削することがあります。自治体の中には、「最近気になる話題」を聞いてくるところもあります。面接でも当然聞かれます。多くの受験生は、この手の質問には「教育時事に寄せた回答」を書くのですが、幅広く「時事」について問われているのであれば、回答するこちらもそのような考え方で行った方が、視野の広さやバランス感覚を示すことができると思います。

 面接でも教育時事が問われることがよくあります。筆記試験が終わり緊張の糸が切れていると、せっかく覚えた時事的事項が全て飛んでしまいます。また、教育時事に関する内容の中には、教職教養の知識事項も多く含まれるため、学習してきた教職教養の知識は2次試験でも使うものであるという認識を持つことが大切です。

 面接や討論で問われる時事的課題の中には、内容の知識事項を答えさせるもののほか、受験者のコメントが求められるようなものもあります。一歩引いて冷静に考えましょう。コメントしやすく、バランスの取れた意見を述べやすいテーマと、そうでない、個人の考え方が如実に表れてしまうような難しいテーマもあります。

 皆さんが気になる働き方改革や教員に関する制度変更などについてまとめます。まず、「働き方改革」ですが、要点は「児童生徒の教育の充実」という点です。しかしながら、まだ働く前から「教師がゆとりを持つ必要性」や「ワークライフバランス」などに自ら言及してしまうと、熱意や意欲が疑われかねず、誤解を与えかねません。面接官の方から振られたときは考えるところを答えてもよいと思いますが、自ら話題にする際には「積極的」「前向き」な内容を心掛けてください。

 次に「教員免許更新制」の発展的解消についてです。2次試験で話題になることも十分あり得ます。知識事項としては、現在の免許状の有効期限を撤廃すること、現在の更新講習を廃止し、代わりに研修受講記録を管理することなどが示されました。大切な事はコメントの際に論評しないことです。「記録を取ることが信用の裏付けにはならないのではないか」など教員養成や教育行政の視点ではなく、自分なりの自己研さんの取り組み方などを具体的に述べた方がよいと思います。

 また、「教員の不祥事」「児童生徒への性暴力」についても注意です。前者については以前も触れましたが、地方公務員法の33条、学校教育法11条など条文の番号が面接で問われることも多く、この知識は忘れてはいけません。後者は、一部の自治体で筆記試験でも出題されていましたが、「児童生徒への性暴力等」の内容や、「特定免許状失効者」のデータベース登録、任命権者による採用時のデータベース確認などの概要は押さえておく必要があります。

 また、最近気になる話題として、「教育と政治の距離が近くなっていること」や「教師の長時間労働の訴訟」を挙げる人がいます。「なぜ関心があるのか」「あなたはそのことについてどのように考えるのか」など掘り下げられたときに、言葉の選択を間違えて、偏りのある極端な意見として伝わる危険性があります。面接という限られた時間の中では、うまく説明できないようなことや説明に時間がかかること、誤解を招く恐れがあることを自らあえて提示するのは避ける方がよいでしょう。

 

2022第10回 問題編

1.次の文は文部科学省通知「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針の告示等について」(令和2年1月)の一部を基にしたものである。( ① )~( ③ )に当てはまるものを語群から選びなさい。

昨年 12 月,「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律の公布について(通知)」で通知したとおり,「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律」が公布されました。

この法律は,学校における働き方改革を進めるための総合的な取組の一環として,文部科学省が昨年1月に策定した「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を法的根拠のある「指針」に格上げするとともに,休日の「まとめ取り」のため,一年単位の変形労働時間制を各( ① )の判断により条例で選択的に活用できるようにするものです。

このうち,ガイドラインの法的根拠のある「指針」への格上げについては,第7条において,( ② )は,教育職員の健康及び福祉の確保を図ることにより学校教育の水準の維持向上に資するため,教育職員が正規の勤務時間及びそれ以外の時間において行う業務の量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する( ③ )が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針を定めることとされているところであり,当該規定に基づき,このたび,「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する( ③ )が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」を告示として公示しましたので,お知らせします。

語群 ア 地方公共団体  イ 都道府県知事  ウ 文部科学省  エ 文部科学大臣

   オ 教育委員会   カ 校長

解答 ①ア  ②エ  ③オ

2.次の文は,「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」の内容について述べたものである。誤りを含むものを1つ選べ。

1 公立学校の教育職員等の任命権者は,児童生徒に性暴力等をした教育職員に対する適正かつ厳格な懲戒処分の実施の徹底を図るものとする。

2 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策は、教育職員等による児童生徒性暴力等が全ての児童生徒等の心身の健全な発達に関係する重大な問題であるという基本的認識の下に行われなければならない。

3 校長は,所属する教育職員の免許状を有する者が特定免許状失効者等となったときは,その情報をデータベースに迅速に記録すること,その他必要な措置を講ずるものとする。

4 児童生徒等への性的な行為だけでなく,衣服の上から身体に触れたり,下着を撮影したりすることも性暴力である。

解答 

解説:校長ではなく「都道府県の教育委員会」である。「都道府県の教育委員会は、当該都道府県において教育職員の免許状を有する者が特定免許状失効者等となったときは、前項の情報を同項のデータベースに迅速に記録することその他必要な措置を講ずるものとする。」(15条②)

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