試験本番で実力を発揮するために メンタルをどう持つか

メンタルトレーナー 加藤 史子

7月は教員採用試験本番のとき。試験では、これまでに蓄えてきた実力を十分に発揮して、無事合格してもらいたい。そこで、実力を発揮するメンタルの持ち方について、メンタルトレーナーの加藤史子さんに解説してもらった。

教員採用試験が近づいてきました。教員を目指す皆さんの緊張感も増してきていると思います。どんなにあがってしまっても冷静さを取り戻し、最大限に実力を発揮する方法は、拙著新刊『あがっても大丈夫! 3秒であがり症を克服する技術』(ごきげんビジネス出版)に33個紹介していますが、ここでは三つの方法をご紹介します。

〔メントレ1 おなかを意識するだけ〕=1週間前から当日

あがっているときは、上の空になったり、地に足が着かない状態になったりします。そんなときに落ち着くために、おへその下9センチのところと、体の厚みのちょうど中心あたりが交わるところにある臍下丹田(せいかたんでん)という場所を意識することです。スポーツ選手なども大きな試合などで緊張したときには、この臍下丹田を意識して、落ち着きと実力を発揮できる状態を一瞬にして取り戻しています。

〔メントレ2 言葉を唱えるだけ〕=1週間前から当日

試験本番が近づいてくると、本気で目指す気持ちが強いほど、試験が終わるまで不安や焦りや緊張感が高ぶります。そんなときは、頭の中に自動的に聞こえている言葉が感情や状態をつくり出していますので、意識してこの言葉を切り替えるだけでも落ち着きを取り戻せます。

不安なときの心の声は、「どうしよううまくいかなかったら」「無理」「ヤバい」「できない」「しっかり準備できてない」「もうダメ」などです。このような言葉が聞こえてきて、頭の中をぐるぐる回るほど、どんどん不安が大きくなり、焦っていきます。

このような言葉が頭の中に聞こえてきたら、落ち着きを取り戻し、実力を発揮できるような言葉に切り替えていきましょう。

落ち着く言葉とは、例えば「何があっても大丈夫」「自分を信じて」「なんとかなる」「自分ならできる」「未来は自分のためにある」「絶対受かる」などです。人それぞれパワーが出る言葉は違いますので、自分にとってパワフルに気持ちを切り替えてくれる言葉を見つけておきましょう。試験会場に行ってから見つけるのではなく、前日までに自分が落ち着く言葉を見つけておいて、試験直前まで何度も唱えてみましょう。心と身体のコンディションが整い万全な状態で試験に臨むことができます。自分をベストな状態に切り替えてくれる言葉のお守りとなります。

〔メントレ3 質問するだけ〕

気持ちを切り替えるには言葉がキーポイントであることをお伝えしましたが、さらに効果があるのは自分自身に質問することなのです。質問すると質問に答えようとするので、意識の焦点が切り替わるため気持ちも切り替えられます。また、自分の心を整理する質問を使いながら、心を整えることも大事なことです。質問を使って自分の思いや考えをまとめておけば、面接でも落ち着いて大事なことを伝えられます。

(1)自分の思いや考えを整理する質問=1週間前から前日

▽自分の教育への思いとはどういうものか。

▽自分はなぜ教員を志しているのか。

▽教育の現場で自分は何を提供し、その結果として何を生み出していきたいのか。

(2)受験当日の質問

▽今、押さえておくべきことは何か(時間、持ち物、場所、経路など確認)▽今、何に集中すればいいか▽今、できることは何か。

(3)面接の前の質問

▽聞かれていることは何か。答えるべきことは何か。求められていることは何か(面接官の質問を受けたら)▽自分をアピールできるポイントやエピソードは何か▽印象をよくするためにできることは何か(姿勢、笑顔、アイコンタクト、あいさつなど)。

時には答えられないような質問をして、対応を見ようとする場合もあります。あなたがどのように対応するのか、人間性が見られています。質問を自分自身に投げ掛けると、落ち着いた状態を取り戻すだけでなく、今必要なことに意識を集中させることができます。