教員免許状更新講習の申し込み方法・注意点は?

4~5月頃には多くの大学等で、更新講習の申し込み受付が始まります。人気のある講習はすぐに埋まってしまうため早めに動くのが理想的です。申し込みから受講までのポイントをまとめています。

申込から受講までの流れ

更新講習が最も多く開設されるのは、夏休み期間中の7月下旬~8月です。多くの大学等は、4~5月頃に申し込みが始まります。2~3月頃には、地元の大学等のホームページを見て、以下のポイントを確認しておきましょう。

  1. 自分が所有する免許状が更新可能かどうか
  2. 更新講習の日程が、スケジュール的に参加可能かどうか
  3. 自分の校種・教科・キャリア等をから、受けたい内容の講座が開設されているか

これらをクリアし、受講する大学等が決まったら、なるべく早めに手続きを済ませましょう。人気の講座は、すぐに定員が一杯になってしまうこともあるからです。

申し込み方法は大学等によって異なりますが、最近は電子申請で1次登録を行い、その後に申込書類を郵送するという流れが一般的です。

受講料は受講者の自己負担となり、大学等から送られてくる書類に従い、銀行振込やコンビニ支払い等で行うパターンが多いようです。全体で30時間の講習となり、3万円程度となります。

現職教員のほとんどは更新講習を受ける必要がある

更新講習を受講しなければならないのは、主として現職の教員です。ただし、校長や副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、教育長、指導主事など「教員を指導する立場にある者」や表彰された人は、免除対象者となっています。

しかし、更新自体が「免除」されるわけではありません。免除されるのは「更新講習の受講」であり、更新の申請手続きは必要です。講習が不要なため更新をしないまま、免許状を失効してしまうことがないようにしましょう。

また、教員として働いていない免許状所持者、いわゆる「ペーパーティーチャー」は、原則として更新講習を受講することができません。そのため、有効期間を迎えると免許状は失効することになります。失効後に、改めて教員になりたいと思った場合は、「教員採用試験を受けて合格する」「非正規教員として名簿等に登載される」などの条件を満たすことで、更新講習が受講して免許状の更新ができるようになります。

受講は免許有効期限の2か月前までに

更新講習の受講期間は、免許状の有効期間満了日の「2年2か月から2か月前」の2年間です。この間に30時間の更新講習を受講・修了する必要があります。

更新講習は、夏休みや冬休みに開設している大学等が多いので、例えば「2021年3月」に有効期間満了を迎える人は、2019~2020年度の夏休みや冬休みに受講すればよいことになります。

多くの方は、夏休みの数日間を使って30時間を集中的に受講しますが、夏休みに約半分を受講して、残りを冬休みに受講するような形でも構いません。また、複数の大学にまたがって受講することも可能です。

更新忘れに注意

「教員免許更新制」において最も怖いのは、更新をし忘れてしまうことによる失効です。失効になると、正規・非正規を問わず、教員として教壇に立つことができなくなりますので注意が必要です。

学校によっては、年度当初に管理職が注意を促してくれる場合もありますが、ご自身でも有効期限を確認しておくようにしましょう。

さらに、大学の教職課程で単位を取り終えた後に、民間企業などで勤務したのち教員になる方は注意が必要です。この場合の有効期間は、「授与されてから10年ではなく、所要資格を得てから10年、すなわち「大学を卒業してから10年」となります。

更新講習は3つの領域に分かれる

更新講習の内容は、大きく3つの領域に分かれています。かつては「必修領域」と「選択領域」の2領域で構成されていましたが、「必修領域」については「内容が汎用的すぎて、受講者の希望やニーズに合わない」との声が上がっていました。それをうけ、2016年度に「選択必修領域」が新設され、現在の3領域構成となりました。

更新講習実施機関のホームページ等には、各領域別に講座一覧が掲載されているので確認しましょう。

必修領域(6時間以上)

この領域から必ず6時間以上を受講しなければなりません。校種・教科・職種などを問わず、教職に関わる全ての人に必要となる知識技能等に関わるものとなっています。

実際の講座名等を見ても、「社会・子どもの変化と教育の課題」「教育の最新事情」など、非常に基礎的・汎用的なものとなっており、さまざまな校種・職種の人が集まり、大教室で行われています。

選択必修領域(6時間以上)

2016年度に新設された「選択必修領域」では、各受講者が所有する免許状の種類、勤務する学校の種類やキャリアに応じ、この領域から6時間を選択して、受講しなければなりません。

実際に開設されている講座名を見ると、「教育の情報化とICT」「道徳科の指導と評価」「不登校・いじめの未然防止」など、「必修領域」に比べると少し個別テーマにフォーカスされていることが分かります。

選択領域(18時間以上)

「選択領域」の受講時間は「18時間以上」と、更新講習全体の6割を占めます。どの大学等も、この領域に多くの講座を開設しています。

「現代漢字の基礎知識」「ICTを活用した算数授業」など個別教科に関わるものあれば、「アクティブラーニング入門」「進路指導・キャリア教育」など新たな教育課題に関わるものもあります。また、「選択必修領域」として開設されている講座を、「選択領域」にで選べる場合もあります。

「選択領域」の講座は「必修領域」や「選択必修領域」よりも個別・具体的で、受講者の校種・教科やニーズに即したものとなっています。ただし、各講座とも定員が設けられているので、人気の講座は早めに申し込まなければ、満席となってしまうケースが少なくありません。

遠方で受講しても構わない

更新講習を開設しているのは、文部科学省から認定を受けた大学等の機関です。

これらの機関が開設する更新講習であれば、全国のどこで受けても構いません。例えば東京で勤務している方が関西の大学等で受講したり、北海道に住んでいる方が九州の大学等で受講することも可能です。

実際に「地元大学に申し込んだら、すでに定員が一杯だった」「Uターン就職したけど、更新講習は出身大学で受けたい」などの理由で、遠方の大学等に出向く方もいます。

ただし、中には一部の校種・教科などに限定する形で、更新講習を開設している所もあります。ご自身が所有する免許状の更新講習が受けられるかどうか、事前に確認しておくようにしましょう。

eラーニングの更新講習

大学等によっては、通信型の更新講習を受講できる所もあります。その場合は、自宅にテキスト等の教材が送られ、レポート等を作成・提出します。また、それとは別に1日程度、会場で試験を受ける必要があることもあります。