教員免許の更新期限、講習の対象になる人は?

2009年4月から導入された「教員免許更新制」。中教審教員養成部会で教員の負担軽減策が議論されるなど、今後の見直しが図られています。教員免許状の有効期間や講習の対象となる人についてご説明します。

教員免許更新制の課題を取り上げる教員養成部会の委員ら
教員免許更新制の課題を取り上げる教員養成部会の委員ら(2019年11月11日)
教員免許状の有効期間は10年間

教員免許状の有効期間は10年です。今年大学を卒業し、22歳で免許状を取得した人であれば、32歳を迎える年度に更新をしなければなりません。また、32歳で更新が済んだら次は42歳、その次は52歳といった具合に、10年おきに更新が必要となります。

一方で注意が必要なのが、「旧免許状」「新免許状」によって更新時期が異なる点です。「教員免許更新制」ができるより前、2009年4月以前に免許状を取得した免許状は「旧免許状」、それ以降に取得した免許状は「新免許状」と呼ばれます。「旧免許状」の所持者の更新時期は年齢で区切られていて、大まかに「35歳」「45歳」「55歳」を迎える年度に、更新をしなければなりません。

有効期間を過ぎても更新しなければ、当然のことながら免許状は失効し、教壇に立つことができなくなります。免許状の有効期間をしっかりと確認しておきましょう。

民間出身者は注意

大学の教職課程で単位を取り終えた後に、民間企業などで勤務したのち教員になる方は注意が必要です。この場合の有効期間は、「授与されてから10年ではなく、所要資格を得てから10年、すなわち「大学を卒業してから10年」となります。

「教員免許更新制」の目的は?

教員免許状は以前、一度取得すれば生涯にわたって有効とされていましたが、現在は10年に1回程度の割合で、更新をしなければなりません。具体的に、30時間以上の免許状の更新講習を受講しなければならないこととなっています。これが「教員免許更新制」で、2009年4月から導入されました。

制度の目的は「最新の知識技能を身に付けること」とされています。

“教員免許更新制は、その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指すものです。※ 不適格教員の排除を目的としたものではありません。”(文科省HPより)

現職教員のほとんどは更新講習を受ける必要がある

更新講習を受講しなければならないのは、主として現職の教員です。ただし、校長や副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、教育長、指導主事など「教員を指導する立場にある者」や表彰された人は、免除対象者となっています。

しかし、更新自体が「免除」されるわけではありません。免除されるのは「更新講習の受講」であり、更新の申請手続きは必要です。講習が不要なため更新をしないまま、免許状を失効してしまうことがないようにしましょう。

また、教員として働いていない免許状所持者、いわゆる「ペーパーティーチャー」は、原則として更新講習を受講することができません。そのため、有効期間を迎えると免許状は失効することになります。失効後に、改めて教員になりたいと思った場合は、「教員採用試験を受けて合格する」「非正規教員として名簿等に登載される」などの条件を満たすことで、更新講習を受講して免許状の更新ができるようになります。

更新講習は大学・行政機関等で受講する

更新講習は、文部科学省から認定を受けた機関が実施しています。その大半は、教員免許状の取得ができる大学や短期大学です。そのため、母校となる大学等で更新講習を受講する人が少なくありません。大学以外では、財団法人や社団法人、独立行政法人、専門学校、教育委員会等が、更新講習を実施しています。

30時間の講習、3万円程度の自己負担

更新講習で必要な受講時間は「30時間」です。受講内容は大きく3領域に分かれていて「必修領域」が6時間以上、「選択必修領域」が6時間以上、「選択領域」が18時間以上とされています。その多くは、夏休み期間中の7~8月に開設されていますが、一部では冬季に開設している所もあります。

更新講習の受講期間は、免許状の有効期間満了日の「2年2か月から2か月前」までの2年間です。例えば、2020年3月末に有効期間満了日を迎える人なら、「2018年2月1日~2020年1月31日」の2年間で、30時間の更新講習を受講し、修了をする必要があります。

受講料は3万円程度で、大学等の実施機関に直接支払います。教育委員会や学校では負担せず、自己負担となります。