最近、企業ではオープンイノベーションが広まっているという。ハーバード・ビジネス・スクールのヘンリー・チェスブロウ助教授の提唱した概念ということであるが、イノベーションを起こす場合、企業内のみの内部資源で進めないで、大学や他の企業を積極的に活用することが有効だとする主張である。

学習指導要領の改訂と本格実施が目前に迫っている。今次の改訂は、今までの反省の上に、「何を学ぶのか」だけではなく「どのように学ぶのか」を含めた改訂内容となっている。したがって、学び方を問い直し、その中心となる授業改善は各学校にとって、極めて大きく、重要な課題である。校長として、この取り組みへの指導力が問われている。

昨年12月21日に公表された中教審「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」を読みましたか。

今、学校は、多くの課題を抱えている。学校を訪問しても、管理職をはじめ教師たちの努力には頭が下がる。日々の教育活動の中やそれから派生したものの中には、一人ひとりの教師の力では解決が困難なことも多々ある。困難な課題にも、チーム学校として心を一つにして取り組んでいきたい。そのためには、一人ひとりの力量を高め、チーム学校としての総合力を高めていく必要がある。

最近、横浜市のいじめ問題が話題である。福島市から転居してきた子供を「キン」をつけて呼び、暴力を振るい、おごらせるなどの行為から、不登校に陥らせた事例である。

今回の学習指導要領の改訂に向けた中教審答申全体の特徴は、社会とのつながりや社会の中で生かすことができる能力を重視した点である。最終的には「何ができるようになるか」をキーコンピテンシーにしている点がポイントとなる。

全国学力・学習状況調査では、中央教育審議会で議論された「チーム学校」「ユニバーサルデザイン」を実践した学校ほどよい成果を上げていた。その半面、教師それぞれが違う授業展開・板書・ノート指導を行っている学校は、結果を出せなかった。そこで高知県津野町で進めている4種のユニバーサルデザインを勧めたい。

本校、麹中メソッドの2つ目の柱は「社会へのロールモデルを見つけさせる」である。そのための環境づくりについて示したい。

副校長・教頭の仕事において「渉外」的業務の占めるウエイトが増え続ける一方、児童生徒への指導に自ら乗り出さなければならない場面が多くなっている。その結果、教職員の人間関係を基礎とした職場づくりに、これまで通り注力できなくなるとすれば、ミドル・リーダー育成にも影響を及ぼしかねない。

名古屋大学大学院准教授 内田良   ■広がる「2分の1成人式」 小学校で急速に普及している学校行事がある。「2分の1成人式」と呼ばれる4年生(満10歳)向けの行事だ。開催時期は、1月から3月が主流で、授業参観の場合と同じように、小学校に保護者を招いて実施される形が多い。 式の主な実施項目としては、将来の夢を語る、合唱をする、「2分の1成人証書」をもらう、親に感謝の手紙を渡す、自分の生い立ちを振り返るなどがある。ベネッセの調査によると、9割もの保護者が式に満足しているという。 10歳の通過儀礼を設けること自体には、それなりの意義があるかもしれない。だが、その実施項目は、特に次の2点において、慎重に検討されるべきである。 ■「家族」は教材か 第一に、親との手紙のやりとりである。式では、親への感謝の手紙が読み上げられる。さらには、サプライズで親から子供に手紙が渡される場合もある。会場中が、涙で包まれる。 だが、「親は感謝されるほどに、子供に尽くしているはず」というのは幻想だ。一部の家庭では、子供が虐待状況に置かれている場合がある。親に感謝とは、あまりに酷な課題である。 第二に、生い立ちを振り返ることである。自分の名前の由来を親から聞いたり、生誕時の写真を家からもってきたり、それらを含めて「自分新聞」をつくったりする。 そこでは、離婚や再婚もなく、子供は実父母のもとで育てられているという単純な家族像がベースになっている。家族の多様化が進む時代において、「保護者に子供の過去のことを問えば、すぐに答えが返ってくる」という発想は、そろそろ賞味期限切れである。 学校は、子供の家庭状況をあれこれと活用する場であってはならない。なぜなら、家庭背景に関係なく、子供たちが前を向いて生きていけるようになることこそが、学校教育の役割だからである。9割の大多数が満足しているからそれでよい、という問題ではない。 (おわり)

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