カリキュラム・マネジメントとは何か?(1)それぞれでマネジメントを創造する

上越教育大学教職大学院教授 西川純

下村文部科学大臣の中央教育審議会への諮問でアクティブ・ラーニングという聞き慣れない言葉が出ました。途端に「アクティブ・ラーニングって何」という疑問が生まれ、それに応える書籍が多数生まれました。

ところが答申では、アクティブ・ラーニングが「主体的・対話的で深い学び」に衣替えされました。その答申で目を引いたのがカリキュラム・マネジメントというキーワードです。答申にある単語数では、アクティブ・ラーニングより多いほどです。

カリキュラム・マネジメントという言葉は、現指導要領の背景となる中央教育審議会の答申にもありましたが、それは極めて軽い扱いでした。今回のカリキュラム・マネジメントの扱いとは格段の違いです。そうなれば「カリキュラム・マネジメントって何」という疑問が生まれます。

しかし、アクティブ・ラーニングとは何かに応える書籍の数に比べて、カリキュラム・マネジメントに応える書籍の数は格段に少ない。それは、アクティブ・ラーニングに比べてカリキュラム・マネジメントが何であるかがより一層捉えづらいものだからです。では、カリキュラム・マネジメントとは何でしょうか。これを読んでいる人は、その正解を求めていると思います。

教えましょう。正解はありません――。「えっ」と思われたと思います。しかし、正解はありません。

中央教育審議会の委員の名簿を調べてください。各界の「偉い人」が並んでいると思います。それも教育界ばかりではありません、多種多様な出自の方々です。教育界に限っても研究者や学校現場の人もいます。

さて、この人たちが集まって一つの結論を出せると思いますか。学校の職員会議を思い起こせば自明だと思います。

多種多様な「偉い」委員の多種多様な意見をまとめる際、ある委員の意見を「切る」ことができると思いますか。できません。そうなれば両論併記、三論併記となります。つまり、委員の人数分の意見の併記がなされているのです。だから答申を読むと同じ言葉が別な表現で書かれたり、冗長であったりするのです。

では、カリキュラム・マネジメントとは何でしょうか。それは答申や学習指導要領を読んだ皆さんが創造するのです。本連載は、そのお手伝いをします。