クオリティ・スクールを目指す(136)授業改善にどう取り組むか

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

教師力向上に具体的な支援を

最近はどの教員も授業展開に「主体的・対話的で深い学び」を意識しているであろう。この言葉の浸透度は一見深いようにみえる。
だが、果たして教員はどう取り組んでいるであろうか。

この度、教育調査研究所が『研究紀要第97号』でこの問題を取り上げている。東京都の小学校7校についての平成27年度から昨年度までの教員のナマの声を集めたものである。

それを丹念に拾いあげていて、結果として「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」についての実施上の課題が示される形になっている。

例えば、「主体的な学び」の「まとめ」には、子供たちの問いの引き出し方の難しさ、学習への興味・関心が薄い・低い・ないなどの子供への対応の仕方をどうすべきか、と。

また、「対話的な学び」では、グループ活動の在り方、参加に意欲的でない子、聞き手の指導、対話中の指導の在り方など。

さらに「深い学び」では、深い学びと学習のねらいとの関連、深い学びの見取り方など。

調査は、新学習指導要領で示すそれぞれの視点からも発言を細かにくみ上げているが、実のところ読んでいて従来型の授業とあまり変わらない課題が多いと感じた。

また、「自己のキャリア形成の方向性と関連付ける」「教職員や地域の人との対話」「先哲の考え方を手掛かりに考えること」はほとんど顧慮されていない。これらは特別な授業場面であって当然であろう。

実は、これらの教師の証言は、各学校での校内研究、公開授業や研究協議などでの考えた課題や質問事項等とのことである。昨年度までのことであるから、「主体的・対話的で深い学び」について手探りの状況だったであろう。

だが、移行措置が始まった今年度以降、授業改善は果たして進化するであろうか。授業の基本が身に付いてない例が多く、今後も授業改善の難しさを感じる。これは調査対象校のみの課題ではなく全国的な傾向であろう。

小学校教員の授業改善が進まないのには、特有の課題がありそうだ。小学校教員は中学校とは異なって多くの教科を抱えている。教科の専門性に基づく授業力向上の機会がほとんどない。毎時間教科が変わる授業をこなすことで精いっぱいである。

小学校教員としての専門性確立はどうあるべきか。新学習指導要領の理念を徹底するために、抜本的な政策改善こそが必要だと考える。学校の働き方改革はその一環である。早急な課題解決が求められている。

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