全国学力調査から見えた 伸びる学校の条件(8)実践的な教員研修

お茶の水女子大学教授 浜野 隆

「教育効果の高い学校」の特徴として四つ目に挙げるのは、実践的な教員研修である。前回までに述べてきた「言語活動」にしても小中連携の「授業スタイル」にしても、具体的な場面で効果的に展開できるかは教師の力量にかかっている。教師が定期的に指導力を高められる場、つまり研修の機会を設けることが重要である。この際、内容が適切で、かつ教員にとって過度な負担にならないよう注意する必要がある。よりよい研修を設計する上で、校長の果たす役割は大きい。

教育効果の高い学校は、授業研究を伴う校内研修を数多く実施している。研究主任を中心に教師同士でお互いの授業を見せ合い、学び合うシステムを取っている学校が多い。小学校では、教育効果の高い学校の半数以上がおよそ年間で11回(月1回)以上、授業研究を伴う校内研修を実施している。対して教育効果の低い学校の実施頻度は、高い学校の3割程度にとどまる。

教育効果の高い学校では、校長が「校内研修こそが教師にとって最大の力量形成の場であり、同僚性を育む場」と考えており、中学校では、教科の枠を超えて校内研修をすることで同僚性を構築している。

一方、特定の教科に特化した研修は学校外でも有効である。教育効果の高い中学校の校長は「教員が他校や外部の研修機関など学校外研修に積極的に参加できるようにしている」と回答することが多い。

教員研修の重要なポイントを二つ挙げておきたい。第一は、研修を「やりっぱなしにしない」ことである。研修成果は日々の教育活動に生かしてこそ意味がある。

図は、教育効果の高い学校ほど「教職員は校内外の研修や研究会に参加し、その成果を教育活動に積極的に反映させている」傾向があることを明確に示している。特に「(教育活動への積極的な反映を)よくしている」回答は、教育効果の高い学校で43.3%なのに対し、低い学校はわずか3.3%という点に注目すべきである。

第二のポイントは「ベテランと若手の学び合い」である。教育効果の高い学校では「若手教員と面倒見の良いベテラン教員が同じ学年で担任を組む」「初任者や若手教員の研修機会を生かして学校の全教員が学び合う」「意図的に若い教員とベテラン教員を出会わせ、必要に応じて校長や退職教員などから授業づくりを学ぶ場を設ける」などの取り組みがみられた。若手教師の育成への注力は、長期的にみても「伸びる学校」になる条件と言えよう。