【連載】教育現場の課題をひもとく アクティブ・ラーニングⅡ② 現行学習指導要領の扱いを的確に

(一財)教育調査研究所研究部長 寺崎 千秋

アクティブ・ラーニングをどうとらえるか。「課題の発見・解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習」や「能動的な学習」などをもとに関連する事項を学習指導要領から拾ってみる。

まず、各教科等の通則的な規定として示されている「総則」においては、例えば以下の事項を挙げることができる(これらの規定は中学校においても同様。要約は筆者)。

▽基礎的・基本的な知識および技能の活用を図る学習活動▽言語活動の充実▽体験的な学習や基礎的・基本的な知識および技能を活用した問題解決的な学習▽自主的、自発的な学習▽学習の見通しと振り返りの指導▽児童の興味・関心に応じた課題学習▽児童が学習課題や活動を選択

また総合的な学習の時間ではその「目標」や「指導計画の作成と内容の取扱い」から、以下の事項を取り出すことができる(要約は筆者)。

〈目標〉
▽横断的・総合的な学習や探究的な学習▽自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力▽学び方やものの考え方▽問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度▽自己の生き方を考えること

〈指導計画の作成と内容の取扱い〉
▽問題の解決や探究活動の過程においては、他者と協同して問題を解決しようとする学習活動や、言語により分析し、まとめたり表現したりするなどの学習活動を重視▽自然体験やボランティア活動などの社会体験、ものづくり、生産活動などの体験活動、観察・実験、見学や調査、発表や討論などの学習活動の積極的な取り入れ▽学校図書館の活用、他の学校との連携、公民館、図書館、博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携、地域の教材や学習環境の積極的な活用……等々

このように総合的な学習の時間の指導は、まさにアクティブ・ラーニング(課題の発見・解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習)そのものいってよいであろう。

このほかにも、学習指導要領に示されている各教科などの「目標」や「内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」には、アクティブ・ラーニングに関連する事項を見いだすことができる。これらをしっかりと踏まえることが大切である。以下は小学校の一例である。

◎国語=5・6年生の内容から/資料を提示しながら説明や報告をしたり、それらを聞いて助言や提案をしたりする。調べたことやまとめたことについて討論などをする。

◎社会=指導計画の作成と内容の取扱いから/観察や調査などの体験的な活動やそれに基づく表現活動の一層の充実。身近な地域および国土の遺跡や文化財などの観察や調査を取り入れる。学校図書館などやコンピュータなどを活用して資料の収集・整理など

◎算数=指導計画の作成と内容の取扱いから/思考力、判断力、表現力などを育成するため、言葉、数、式、図、表、グラフを用いて考えたり、説明したり、互いに自分の考えを表現し合ったりするなどの学習活動を積極的に取り入れる。

◎理科=目標から/自然に親しみ、見通しをもって観察・実験などを行い、問題解決の能力を育てる。同=指導計画の作成と内容の取扱いから/観察、実験や自然体験、科学的な体験を充実させる。個々の児童が主体的に問題解決活動を進めるようにする。

以上、現行学習指導要領では、アクティブ・ラーニングを重視していることが明確である。あらためて全教育活動をアクティブ・ラーニングを視点にして見直すともに、その確実な実施と活動の質を高めることが求められていることを認識し、取り組みを充実させたい。