3・7万人が日本語指導必要 外国人児童生徒への支援検討

m20151207_02外国人児童生徒の増加や、保護者の国際結婚や帰国による日本国籍の児童生徒の増加などにより、公立学校に就学する日本語指導が必要な児童生徒は3万7千人を超える。その数は増加傾向にある。そんな状況の中で、どのような支援が必要なのか。文科省の「学校における外国人児童生徒等に対する教育支援に関する有識者会議」の第1回会合(写真)が12月1日、文科省内で開かれ、検討された。委員からは、アプリを開発してタブレットを活用すれば、保護者も一緒に学べる。教職課程に日本語指導の免許を入れては、などの意見があった。

公立学校に在籍している外国人児童生徒は、全体で7万3千人以上。このうち、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒は、昨年度、2万9千人以上いる。日本国籍であっても、日本語指導を必要とする児童生徒は約8千人いる。

日本語指導のニーズがある児童生徒は、合わせて約3万7千人超に上る中で同有識者会議では、こうした児童生徒への支援について、検討を進めていく。初会合では、委員がそれぞれ、直面している課題を出し合った。

吉住健一東京都新宿区長は「区民の11%が外国籍の居住者。区内小学校に、110から120カ国の子どもが在籍している。授業は合わせて12カ国語で行っている。この教える人材の確保に向けた支援が必要」と訴えた。「指導員の数が少ないので、タブレットを有効活用したい。アプリを開発し、それで日本語が学習できれば、保護者も一緒に学べる」と、ICTの有効活用を提案した。

藤巻秀樹北海道教育大学教授は「外国籍の子どもの教育に関心をもっている学生は多い。通常の免許と同じように、教職課程で日本語指導の免許もあるといい」と教員養成課程で日本語指導が学べるよう提言した。

池上重弘静岡文化芸術大学教授は「日本で育ったものの義務教育を終えておらず、日本語も母語もあやふやな人が増えている。外国籍の子どもの課題は、今や保護者に及ぶ」と、負の連鎖を指摘した。

とはいっても、同学に通常の受験システムで入ってきた在留外国人学生の中には、日本語、母語はもとより、英語や中国語も操る、まさしくグローバル人材もいるという。「この人たちの存在を日本の学生たちが知って、学ぶモチベーションなどを高めてほしい。グローバル人材など目指すべき将来像が目の前にあれば、学習にも力が入る」とロールモデルを示す効用を話した。

日本で外国籍の児童生徒が最も多い愛知県教委の高田和明義務教育課長は、「日本語指導の加配教員が巡回指導を行っている。集住地域はこの方法でいいが、散在地域では難しい。ポルトガル語、スペイン語、フィリピン語など、人材確保が難しい」としたうえで、高校進学に際しても特別枠を設け、人材育成に取り組んでいるとした。

高橋清樹神奈川県立橋本高校教諭は、「神奈川県では、10の高校で119人の外国籍生徒の特別枠を設けている」と話し、大学でもグローバル人材、バイリンガル人材育成を推進してほしいと要望した。

初会合では、佐藤郡衛目白大学長を座長に選出。今後、月に1回程度開催し、来年6月をめどに報告書を取りまとめる予定。

公立学校に外国人児童生徒7・3万人

文科省調べによる外国人児童生徒の、平成26年度の概況は――。

公立学校に在籍している全外国人児童生徒数は7万3289人。24年度の7万1789人から、1500人増。

このうち、日本語指導が必要な外国人児童生徒は2万9198人。学校種別では、小学校に1万8884人、中学校に7809人、高校に2272人、特別支援学校に177人など。24年度には全体で2万7013人だったので、26年度の高校の生徒数分とほぼ同じ人数が、2年度間で増えている。

保護者の帰国や国際結婚に伴って生じる、日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒は、7897人。学校種別では、小学校に5889人、中学校に1586人、高校に332人、特別支援学校に49人など。24年度には全体で6171人だったので、1726人増加している。

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