【連載】国際バカロレアを知るために 第21回 創造性・活動・奉仕(CAS)①

都留文科大学特任教授 広島女学院大学客員教授(IB調査研究室長)
リンデンホールスクール中高学部校長 大迫弘和

 

2018年までに200校を目標に導入が推進されているIBディプロマプログラム(Diploma Programme:DP)のプログラム図
2018年までに200校を目標に導入が推進されているIBディプロマプログラム(Diploma Programme:DP)のプログラム図
創造性・活動・奉仕(CAS)

この図が現在、2018年までに200校を目標に導入が推進されているIBディプロマプログラム(Diploma Programme:DP)のプログラム図です。

円の中心に「IBの学習者像」が置かれているのがとても大切です。

今回はそこからふたつ外側に置かれている「知の理論(TOK)」「課題論文(EE)」、そして「創造性・活動・奉仕(CAS)」の中から「創造性・活動・奉仕(CAS)」について書いてみます。

「知の理論(TOK)」「課題論文(EE)」「創造性・活動・奉仕(CAS)」の3つは「コア」と呼ばれています。

DPを学ぶ生徒にとってこれらは必修です。6教科の教科学習の成績がどんなに優秀であっても、この「コア」をきちんと修了していなければDPの修了証書は与えられません。すなわち教科学習より大事とみなされています。

「コア」は3つの異なる、相互につながりをもった要素で構成されています。「コア」は全て「各学問領域と相互に支え合う」「国際的な視野を育む」「自己認識とアイデンティティーの感覚を養う」との3つの一貫したねらいに根差したものになっています。

CASについて具体的な内容は次のようなものになります。
・創造性(creativity)=アイデアを探究しそれを広げることで、独創性や自分の解釈に基づいた作品やパフォーマンスを創造すること
・活動(activity)=健康的なライフスタイルに寄与する身体的な活動を実践する
・奉仕(service)=コミュニティーの真のニーズに対応するために他者とともに活動を行い、かつ相互扶助の取り組みに従事する
「奉仕」についてさらに詳しく見てみると、4種類の奉仕活動が奨励されています。

(1)直接的な奉仕:他者、環境、または動物などとのかかわり合いをもつ。(例=ひとりの子どもに対し勉強をみてあげる。難民の人々と協力して菜園をつくる。動物保護施設で働く)

(2)間接的な奉仕:生徒は受益者と直接的に接することはないが、コミュニティーや環境にとって有益である活動を行う。(例=非営利団体のウェブサイトのデザインを刷新する。言語学習のための絵本を描く。植樹のための苗木を育てる)

(3)提言:公共の利益に関係する問題にかかわる行動を促す目的で活動する。(例=飢餓についての認識向上キャンペーンを開始する。いじめの対策としてお互いへの敬意を訴えかけるような演劇作品を上演する。水源の維持についてのビデオを制作する)。

(4)リサーチ:重要なトピックについてさまざまな情報を集め、データを分析、報告し、政策や現状に影響を及ぼそうと試みる。(例=動物の移動や渡りについての研究に参加する。公共の場のごみを減らす有効な方法を調査する。ホームレス、失業者、孤独といったトピックの聞き取り調査を行って社会的なリサーチをする)

(参考資料:『CAS guide(for students graduating in 2017 and thereafter)』