(チーム学校でどう変わっていくか)地域を巻き込んで キャリア教育の推進を

昨年12月21日に「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」が、中教審から答申された。「チーム学校」が求められる背景、その在り方、具体的な改善方策で構成されている。今後、学校内に教員以外の専門スタッフやサポートスタッフが配置され、役割を分担するようになる。実現すると学校はどのようになるのか。「チーム学校」の在り方について語ってもらった。


地域を巻き込んで キャリア教育の推進を
東京都教職員研修センター研修部授業力向上課教授 髙橋基之

選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられます。児童生徒が国家および社会の責任ある形成者となるための教養と行動規範、主体的に社会に参画し自立して社会生活を営むために必要な力を育成するなどが、これまで以上に学校教育に求められています。従来の児童生徒の今後の在り方、生き方を考えさせて行う、キャリア教育をさらに充実させていくことです。単に職業教育の推進だけではなく、市民生活、家庭生活、職業生活の全てをイメージさせて、責任ある市民としての自覚を育てるのだと思っています。

そのためには、学校自体が市民社会の中にあると意識することです。応援される児童生徒、応援される学校づくりに努力することです。防災訓練をはじめとした、地域の社会活動や地域の特色化を支援していく学校の役割を踏まえることです。合同防災訓練や地域行事、そして、高齢者や障害者等との共生を進めていくうえで、地域の中学生、高校生の力は重要です。地域の中学生、高校生の連帯感を高めるためにも、活動を社会教育の視点からも支えていく必要があります。さらに、一度、地域から出た生徒が再び戻り、地域で生きていこうと考えるためにも、地域の特色を生かした産業の創造や発展について、学校が地域の特色を生徒と共に発信していく必要もあると考えます。

中教審の審議においても、学校教育と社会教育の連携が大切としています。児童生徒が地域に愛着をもつには、まず地域を知ることです。その上で、地域の特色あるものづくり、サービス、高度な技術を広く紹介し、支えていく方法のアイデアなどを児童生徒に考えさせます。児童生徒の将来の仕事、充実した市民生活、家庭生活、職業生活につないでいくことが大切と考えます。

その際、地域で活躍する人々の力は欠くことができません。学校だけで完結する教育はなく、学校教育と社会教育をつなぎ、地域の産業、教育機関等の関係諸機関との工夫した連携の実践を行っていきます。

現在、日本のどこかで起きたことが、一瞬のうちに、インターネットなどを介して、情報となり世界を駆け巡ります。児童生徒の発信する何げない情報も、真偽を確かめる間もなく、スマートフォンなどを介して世界中を駆け巡ることになります。今まさに、グローバルな社会が展開しているのです。社会人として今の児童生徒が将来活躍する場は、もっと安易に情報を受信、発信できる世界になっているでしょう。生活や仕事など、さまざまなことが日本の中だけで完結できる時代ではなくなります。常に世界の中における日本を意識せざるを得ない時代になっていくのも確かです。これは、地域社会の安心・安全のためにも、しっかりと把握しておかなくてはなりません。

ところで、児童生徒は、なぜ学ぶのでしょうか。まずは、「知りたい」という「知的好奇心」。さらに、「よりよく生きたい」という「向上心」などから生まれると考えます。英語は使ってこそ、力がつくと言われています。英語に限らず、さまざまな教科の知識を定着させるには、得た知識や技能を積極的に使う場を多く設定するなどの工夫した実践が必要です。そこで、各学校では、学校教育と社会教育との連携を踏まえながら、できる限り多くの教育資源を活用し、教育活動の全体を視野に入れて、学習成果を生かす場を体系的に創造していくことが大切です。

地域や多様な児童生徒の実態に応じて、単に個人がよりよく生きるのではなく、社会の中でよりよく生きる視点をもたせながら、(1)社会においてリーダーシップを発揮し、グローバル社会において国際的に活躍するために必要な資質・能力の育成する(2)グローバル社会の中で、自立して社会生活・職業生活を営むための基礎的な資質・能力の育成する――のどちらに重点を置くかを十分に検討します。まずは学校の教職員がチーム力を発揮するとともに、地域を巻き込んだ「チーム学校」のもと、特色ある教育活動を推進することが大切と考えます。

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