(チーム学校でどう変わっていくか)専門職が機能発揮 組織づくりが課題

昨年12月21日に「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」が、中教審から答申された。「チーム学校」が求められる背景、その在り方、具体的な改善方策で構成されている。今後、学校内に教員以外の専門スタッフやサポートスタッフが配置され、役割を分担するようになる。実現すると学校はどのようになるのか。「チーム学校」の在り方について語ってもらった。


専門職が機能発揮 組織づくりが課題
大阪府立大学教育福祉学類教授・文科省中教審生涯学習分科会臨時委員 山野則子

長い歴史のある学校という文化の中で、大転換が起きようとしている。いや、大転換するもしないも、これからかもしれない。そうした期待をもって今回の流れ、把握の仕方、意義、残された課題について述べる。

教育再生実行会議の26年7月3日「今後の学制等の在り方について」(第五次提言)、平成27年3月4日「学び続ける社会、全員参加型社会、地方創生を実現する教育の在り方について」(第六次提言)を受けて、下村前文科相は、それぞれ中教審に対し諮問を行った。

前者は初等中等教育分科会の下に「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」。後者は同じく初等中等教育分科会の下に「地域とともにある学校の在り方に関する作業部会」。生涯学習分科会の下に「学校地域協働部会」が設置された。この3つの部会が連動しながら、さまざまな角度から学校のありよう、学校を支える地域のありようが議論された格好である。後者の議論は、初中局と生涯学習政策局が、ともに合同委員会を設置するなど画期的であった。

つまり、捉え方として、チーム学校を単に学校内で見るのではない。外側にある地域との連動も視野に入れた上で意識する。でなければ、せっかく3つの部会で議論されても、相互に生かされないとまずは押さえたい。多くの人が、学校=教師であると捉えている。そこから抜けださない限り、これらの部会の議論が生かされないだろう。

今の日本の貧困問題、いじめ、少年事件、教師の業務時間がOECD加盟国で最長であるなどを考えても、思い切った発想の転換をなさなければ、子どもたちの未来のために前に進めない。前に進める第一歩が、今回の答申ではないだろうか。

残された課題として、学校=教師という発想から脱却する仕組みが必要である。このままでは、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)を何人置けばいいのか。何とかしてくれるという発想、依頼したいがうまくいかなかったらという戸惑いの結果になるかもしれない。専門職を置くだけではなく、チームとして各専門職が機能していく仕組みが必要である。

学校は、イコール教師ではない。地域と共にあり、さまざまな支援や機能を持つ器になる。そうした発想になる必要があるだろう。その器の中に、ほぼ全数の子どもたちが存在する。全ての子どもたちを視野に、SSWが学校に存在すると、教師は気軽に話せる。対応できなかった家族の問題に支援を入れることもできる。

結果、子どもが落ち着くなど、大変な事態にならずに課題が好転する可能性がある。これは教師ができないから専門職に依頼するというネガティブな発想ではなく、学校に存在する教師以外の人材に絶えず触れる環境にあれば教師も視野が広がり、支援に手が届きやすくなる。専門職側にも教師と対等に子どもに責任を持ち、さまざまな支援を実行していくことのできる権限と体制が必要となる。つまりチームというからには、チームアプローチの基盤を作り、二度と悲惨な事件が起きないような仕組みを考案すべきである。

その1つは、担任任せではなく、校内のさまざまな役割のある教師と専門職が、危険を発見できるスクリーニングの仕組みを制度的に作る。もう1つは、専門職が教師とともに対等な責任を持てるよう、児童相談所のような上司のいる組織体制や構造を作る。身分の安定を図る。最後に学校の主な人材である教師に周知するため、教員資格科目に社会福祉やスクールソーシャルワーク等の科目を入れる。あるいは必須研修として規定する、などの法整備を含む整理が必要であろう。

これらの体制がない中で現在、学校で理解がなされず、専門職は十分活用されていない。組織体制がなく、不安定な身分で1人学校に入り活動しているため、動きが個人的になっている。専門性が十分生かされていない。
チームとしての学校は、専門職を学校に入れればいいというのではない。まさにチームとして機能するように、体制整備は必須の課題であろう。

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