【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅡ 第31回 業務の効率化へ具体的な取り組みを

教育新聞教育管理職研究会 編

 
○実効性のある効率化を目指す

平成26年6月にOECDが行った「国際教員指導環境調査」(TALIS2013)の結果を受けた新聞報道(日本の教員、勤務時間は最長、授業外で多忙)は、教育関係者に反省と早急な対応を迫るものとなった。10年前に文科省が同様の調査を実施し、小・中学校教員の長時間勤務の実態や教員の仕事量の増大などが浮き彫りになった。以降、その改善のためにさまざまな取り組みが講じられてきたが、仕事量の削減や多忙化の解消が不十分であったことが改めて露呈し、問題視されることになったからである。

管理職は、実効性のある効率化を目指した取り組み、多忙化解消のための策を確実に実践できるように自らも率先垂範し、教職員への指導・監督に努めていかなければならない。

○現状を把握し、ムダをなくす

学校においては、年度末に1年間の成果と課題を基に、新年度の教育計画を作成する。その際、「贅肉は落とし筋力を落とさない」という視点から作成することが大事であり、それは「子どもの成長のために絶対に欠かせないものは何か」という視点がポイントとなる。学校(教師)の都合でむやみに削ぎ落としてはならない。あくまでも「ムダ・ムラをなくす」ことであり、例えば、「慣例的な行事を見直す」ことである。

小学校における対外行事や作品応募の精選、中学校における部活動の在り方の見直しなども、教職員の負担削減には欠くことのできない視点である。また学校運営上の各種会議や打ち合わせの持ち方も、会議同士を一本化したり、会議の回数や時間を削減したり、事前に会議資料などを配布したりしておくなど、創意工夫することで効率化に結び付けることができる。

○積極的に業務の効率化を図る

削減化と効率化は表裏一体の関係にもある。積極的な効率化は、取り組みの効果を確実にしながら、費やす時間や労力の削減化を意味する。例えば、これまで以上にIT機器の活用を促進し、システム化することで、子どもに関わる基本的な情報のデーターベース化を図ったり、成績処理や指導案・授業資料の作成など学校全体で使用できる書式をデータベース化して業務のやり方自体を効率化したりすることができる。また学校事務の共同実施化への取り組みも重要である。

○組織的な学校運営システムを再構築する

業務の効率化を進めるために、組織的な学校運営をすべきであり、そのための校内体制の整備を推進することが必要不可欠である。IT機器の活用や情報のデーターベース化を図る場合には、専門知識を有した新しいチーム組織が必要となろう。運用上のルール・運用規程も必要だ。加えて、校内だけではなく、外部の人材活用を加味した、「チーム学校」という視点をもちたい。教育活動に関わる学校支援の人たちやスクールガードボランティアの活用、スクールカウンセラーや部活動指導員の活用など、多様な専門人材や地域人材の積極的な導入・活用は、職員の業務を側面からサポートする有効なスタッフ活用策と考え、同じ土俵の上で体制化することである。合わせて教委をはじめ、教育関係機関のサポート体制も、積極的に取り組んでいくべきである。

管理職は、学校評価の結果や教職員の自己分析、保護者や地域の方々の意見や要望も取り入れながら、「本校にとって何が必要で、何をやるべきか」を明確にし、しっかりと精査し、最大限の効果を上げるための教育環境整備を進めていかなければならない。

業務の効率化と多忙化の解消により、教職員は本務である教育活動に力を注ぎ、よりきめ細かな教育・充実した教育活動が可能となり、目指す目標を達成することができる。教職員が心身ともに健康な状態で子どもたちと接することができる業務環境をつくり出すことが、今こそ管理職に強く求められているのである。