【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅡ 第33回 分掌を達成・育てる視点で見直す

教育新聞教育管理職研究会 編

 

○校務分掌と校長の責任

学校教育目標の達成を目指し、調和のとれた学校運営が行われるために、ふさわしい校務分掌の仕組みを整える必要がある(学校教育法施行規則43条=中・高準用/都道府県、市町村の学校管理規則にも同様に規定)。

「校務分掌の仕組みを整える」とは、「学校において、校務の種類と範囲を明確にし、分担・協力して遂行するに必要な組織を有機的に編成し、その組織が有効に作用するよう整備すること」といえる。学校の役割を果たすために最も重要なことであり、校長の責任と指導力が問われるところである。校長として、校務をつかさどるために、校務掌理権、校務分掌権、監督権が付与されている(学校教育法37条4項=中・高準用)。

○分掌の見直しから

「同じ分掌と組織が数年続いている」状態は、本来ありえない事態である。教育目標の検討や学校運営の反省をもとに、常に工夫と改善が求められる。それには、いまある分掌組織の見直しから始めたい。見直しには次のような点が考えられよう。

▽目標が達成できるか(効果的か)、達成への道筋、仕組みが明確な分掌か

▽チーム発想(学校の内外)への転換、指導体制・責任が明確な分掌か

▽個々の力・得意分野が発揮できる構成(適材・適所)を考えた分掌か

▽人間関係、負担の均衡などが配慮された分掌か

見直しには、校長だけでなく、副校長・教頭や主幹教諭などリーダークラスを交えて取り組むとよいだろう。

○分掌は必要に応じて

まず、「どんな分掌を位置付けるか」が明確にされなければならない。その中心的な視点は、「目標の達成のために」ということだ。教育目標に沿って必要な分掌組織を整えることとなるが、その際は、校長の考え・構想を中心に、学校の特色や特色ある活動、地域の特色を踏まえた活動と分掌、新しい課題への対応型の分掌、学校規模などを踏まえた分掌等を加味して考えたい。いままでの分掌で必要なものは残し、新たに必要なものは設置する。例えば、情報システムに関する分掌を教務あるいは進路指導に統合するなど、実情に応じて工夫するよう積極的に取り組みたい。

○分掌組織が働くための工夫を

分掌組織は、教育目標の達成のために働くように工夫すると同時に、「教職員を育てる」という視点からの工夫も重視したい。

▽適切な人的配置を行う
組織の全体を統轄するのは校長であるが、各分掌のリーダーの配置には十分に心配りをしたい。主幹教諭や指導教諭、主任層にあたる者を充てることになるが、校長として、その者の力量、得意分野、他からの信頼度などを十分に考慮して指名したい。またその者の「弱さ」「克服すべき点」を把握し、分掌の遂行の実際場面を通してフォローしながら成長を促すことも校長の役割である。

各分掌への教職員配置については、教職員の希望調査などを資料として校長が指名する場合が多い。その際、最も重要なのは、校長による見極めによる指名を基本にすることである。本人の希望を尊重しながら、得意分野は何か、分掌に関しての姿勢・意欲、リーダー的素養をもった者かフォロワー的な者かなどを日頃の観察から把握し、適所に配置する。そのように配置することで、組織のパワーを発揮させるとともに、個々の教職員の「欠けている点を克服し、成長させる」働きをも生み出すことができる。

▽仕組み・ルールを工夫する
通常、分掌組織での校務遂行は、分担による個別業務であり、教職員相互の関わりが少ない。そこで、校長のリーダーシップで業務の編成・効率化を図るために、校務分掌遂行を、チームによる課題解決型に編成する。チーム全体で検討・実施・評価をして全教職員に報告する。そして、その結果を次に生かす。こうした協働による校務遂行の発想も取り入れたい。校長の指導を前提に、各リーダーを中心としたスタッフ制などにより一定の責任をもたせながら自立的に企画・運営を任せてみるのも1つの工夫である。

また全体や分掌の横組織の意思疎通や情報の共有を確かなものにする工夫や、全体、分掌ごとなどの意思の決定(最終的には校長)と範囲を明確にしておくこと、各分掌から教職員全体への伝達や物事を決めるルールや仕組みを確立しておくことなど、校長としてしっかりと整備しておくことである。

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