【連載】クオリティ・スクールを目指す 第71回 「学び」の連続性による協働学習

教育創造研究センター所長 髙階玲治

 

生活班生徒4人組により活性化

授業のプロセスは、個別、小集団、一斉のように、その場の適切性を考えて形態を柔軟に変えるのが常である。多くの場合は一斉形態が多いが、その場合でも「個を生かす」努力が行われてきた。いわば「個」と「学級集団」との相補関係が重視されてきたといえる。

小集団活動は、ペア、4人グループ、6~7人グループ(班活動)など多彩であったが、個や学級集団を補強することで行われる場合が多かった。

ところが東京都葛飾区立大道中学校(殿村靖廣校長)は、4人の男女混合生活班を学習活動においても主役にするのである。1人でも、7人でもない、あくまでも4人である。この試みは、生徒の自立を育てる意味で極めて興味深いことである。

実は大道中は以前、校内が荒れ、指導が難しい状況があったという。「ダメな学校」「荒れた学校」のイメージが地域に定着した経緯があったが、そこから徐々に立ち直ってはきたものの、生徒の実態は「自分から行動する」「積極的に取り組む」などの力が弱く、主体的な活動や自尊感情の低さが課題であった。

そこで指導の重点や基本としたのが「話し合い活動」である。何よりも、他者の意見に学び、自ら発言することを日常化させることであった。話し合いはペアでは十分でない。7人グループでは発言量が少なくなる。その意味では4人のもつ意味は大きいのである。その4人組の構成では、学力のバランスや個々の能力や資質についても配慮している。

また、4人組の話し合いのルールも決めていて、例えば、(1)自分が話すばかりでなく、他の人の話によく耳を傾けよう(2)相手の意見を否定しない(3)アイデアや思いついたことを書いたり絵にしたりして、対話を楽しもう(4)テーマについて話をするよう心がけよう――など7項目がある。

また「話し合い」の場を多くもつことが重要であるが、例えば総合的な学習の課題追究や学級活動の場が有効に活用されている。

さらに、各教科でも4人組の場の設定が多様に行われている。(1)前時の授業内容の振り返り(2)その日学んだ授業内容を輪番制で班の中で説明(3)課題に対する個人の意見の交換(4)討議内容をまとめ、発表(5)ジグゾー法による「学び」を共有する活動――などである。

「4人学習」を実施して1年半。その成果は目に見えて向上している。「4人学習が楽しい」と答えた生徒は95%、「友達との交流が広がった」は91%の高さである。学校のねらいは、4人組を基本にして、個から4人へ、4人から学級へ、学級から学年、そして全校への拡充である。

「話し合い」による能動的学習が、汎用的スキルとなって多面的に活動できるのである。

この実践は、平成27年度の学事出版教育文化賞優秀賞を受賞している。