【連載】教育現場の課題をひもとく カリキュラム・マネジメント② 教育内容の組織的な配列とAL

(一財)教育調査研究所研究部長 寺崎千秋

1.カリキュラム・マネジメントの第一の側面

カリキュラム・マネジメントの目的は、教育内容の質の向上であり、学校改善である。

「論点整理」が示したカリキュラム・マネジメントの「三つの側面」の第1では「各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと」を求めている。その側面から、カリキュラム・マネジメントを捉えてみる。

基本として押さえる点は、教育課程の新しい理念「社会に開かれた教育課程」である。よりよい学校教育を通じてよりよい社会をつくることを社会と共有すること、これからの社会を創りだしていくために必要な資質・能力を育むこと、学校教育が目指すところを社会と共有して実現することが教育課程に求められているのを踏まえることである。

実際の教育課程編成に当たっては、まず教育目標の見直しが必要である。およそ10年に一度の学習指導要領の改訂は、国としての教育内容・方法の見直しであり、学校としては、学校改革・学校改善の最大の機会である。これまでの教育の根本である学校の教育目標の見直しから取り組み、教員だけではなく、広く子ども、保護者、地域の人々、卒業生等々からの考えや意見をもとに、地域と一体となり、目標を見直し、共有することを大切にしたい。

2.教育目標の具現を基盤として

次に、新学習指導要領の内容の研究・検討を行う。大事なのは、各教科等の縦割りで終わるのではなく、「各教科等の教育内容の相互の関係」を捉えることである。その視点は教育目標の具現を基盤にし、例えば「持続可能な開発のための教育」「キャリア教育」「防災教育」「特別支援教育」等々である。また「言語活動の充実」など、各教科等で学習した事項・学習経験を他教科等で活用し、主体的な学習が成立するようにすることも重要な視点である。

これらの視点をもとに、各教科等における「わかる・できる=習得」「つかう=活用」「つくる=探究」を関連づけて教育課程をバランスよく編成する。

学習指導要領の理解のもとに、「教育課程編成の全体構想」を作成する。教育課程編成の要素の関連を全体的に示すものであり、学校の教育の基本構想ともいえるものである。その要素は、例えば、学校の教育目標、関連法規、学校等他の諸実態、学習指導要領改訂の基本的な考え方や主な改善事項、教育課程編成の方針や重点、各教科等の指導の重点、学習指導の方針と工夫、生徒指導・進路指導の方針と工夫、授業時数・日課表・時間割等の扱い、指導計画作成の方針と工夫、教育諸条件の整備などである。

この基本構想のもとに、道徳教育や体育、総合的な学習の時間等々の全体計画を作成し、それらに基づいて各教科等の年間や単元の指導計画を作成する。

したがって、これらの計画には、各内容の系統性だけでなく、他教科等との関連が図られたり、横断的・総合的な指導の工夫が図られたりして、指導内容・方法等が位置付けられていることになる。

年間や単元の指導計画の作成段階では、当然のことながら「アクティブ・ラーニング」を重視し、それが実現するよう教材や学習活動、そして評価を工夫することになる。現行の学習指導要領でいえば、基礎的・基本的な知識・技能を活用した問題解決的な学習、言語活動の充実、体験的な学習、学習の見通しと振り返り、探究的な学習、協同的な学習等々による子どもの主体的な学びを重視し、教師中心の一斉型授業から脱却し、子どもが学習者となる指導を内容とともに位置付けることであり、その充実を図る必要がある。

以上、カリキュラムの編成過程に視点を当てて捉えてみたが、実施・評価の過程では、これらが教育目標の具現につながっているかを子どもの姿から評価することが重要である。

これらのサイクルはもちろん、現行の教育課程でもできることであり、確実に実施したい。

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