道徳科の評価方法に注目 次期学習指導要領に向け教育セミナー

多くの教員が道徳の評価方法を模索している
多くの教員が道徳の評価方法を模索している

(一財)総合初等教育研究所は2月20日、第19回教育セミナーを、国立オリンピック記念青少年総合センターで開催。道徳科分科会では、評価の方法について話題が集中した。発表した小島嘉之さいたま市立浦和別所小学校教諭は、「学期に1回設定している重点内容項目について、振り返りシートに記入させ、児童が自らの成長を実感できるようにしている」とし、実際のシートを示した。

振り返りは、1学期から3学期までの成長が一覧できるよう、1枚の紙に記入する。

同教諭が児童のコメントに「花まる」をつけている点について参加者は「『これを書いたら花まる』と、児童が花まるに引きずられないか」と質問。同教諭は「内容についてではなく、一生懸命に書いたことに対する花まるだと、4月の段階から児童に説明している」と答えた。

指導講演をした、赤堀博行文科省初中局教育課程課教科調査官は、道徳科の評価について次の点を強調した。

▽他の児童との比較による相対評価ではなく、児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止め、励ます、個人内評価として行う▽他児と比較して優劣を決めるような評価はなじまない▽個々の内容項目ごとではなく、大きなまとまりを踏まえて評価する▽発達障害などの児童について配慮するべき観点を、学校や教員間で共有する――など。

基調講演では、合田哲雄文科省初中局教育課程課長が、次期学習指導要領の方向性について語った。

今までは「知・徳・体」と、教科で分けて育むとしていたが、これからは、教科横断で資質・能力を育成する。小学校は学級担任制だが、中・高校は教科担任制。どうつなげていくかを課題とした。

英語教育の抜本的強化については、高校卒業時に英検2級・準2級取得レベルの生徒を7割にしたいと明言。現在は3割ほど。大学や海外、社会で英語力を伸ばす基礎を確実に育成するために、新たな英語教育が求められる。

ICTの利活用については、「知識の習得はコンピューターで、先生は話し合いのファシリテーター」とする見解を否定。あくまでも教員の授業が前提で、「授業力を支えるためのICT」と位置付けた。

同研究所は、すでに次期学習指導要領を意識。アクティブ・ラーニングやPDCAサイクルなどによるカリキュラム・マネジメントを重視した実践研究を積み重ねてきている。

このセミナーも、子どもの自主性・主体性を重んじて、確実に学力を身に付けさせる狙いが軸となった。