【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅡ 第35回 情報発信と校長の判断力

教育新聞教育管理職研究会編

 

○効果とリスクを念頭に

学校経営を円滑に進めていくために「学校からの情報発信」は必要不可欠である。学校からの積極的・効果的な情報発信は、保護者や地域をはじめ、学校運営に関わる方々から得られる理解と信頼、協力につながる。しかし、的確さを欠いた情報や不適切な表現などを含んだ情報の発信は、即不信感につながり、逆効果をもたらす危険性も含んでいる。

校長は、効果的な情報発信の必要性と情報発信に関するリスク管理をいつも念頭に置きながら、効果的な情報発信をマネジメントしていかなければならない。

○何のための発信か

情報発信の目的は、端的にいえば「学校を理解してもらう。学校に協力してもらう」ためである。そのためには、学校の現状や課題、事実や結果の報告、加えて保護者や地域の方々に理解を求めたり、協力依頼をしたりするなどが内容となる。

その意味からいえば、多くの学校からの発信物は、この目的を達成しているように見える。しかし、それだけでは一方通行の情報であり、保護者や地域の方々が真に求めている、いわゆる情報ニーズに応えられているとはいえない。学校としての考え方(校長の教育理念や経営方針、その具現化に向けての具体的な取り組み)は述べられているか、学校評価やその他学校に寄せられている意見や疑問などについて触れられているか、役割分担としての保護者や地域の方々への具体的で丁寧な呼びかけになっているかが、大切となる。

受信者側への配慮が十分になされている情報発信になっているかという点で、配慮が必要である。

○何をどう発信するか

情報通信技術の進展に伴い、「メール一斉配信サービス」を活用している学校が増えている。これは従来の手間暇かかる電話連絡に代わって、緊急性のある情報提供を迅速かつ個々に一斉配信できることから、その利便性が評価されている。しかし、登録制であるために、問題点がないわけではない。またその便利さから何でもメール配信する学校があり、逆に不快感を与える場合も見受けられる。大切なのは「緊急性と必要性、妥当性」である。

近年、学校のホームページを積極的に開設し、情報発信の一方策として活用している学校がほとんどである。しかし、よく聞かれるのが「更新がされていない」「学校差が大きい」という実態である。ホームページを開設した以上、アクセスした人にストレスを与えない情報提供になっていなければならない。他の一般的な情報発信として、紙媒体による「~たより」のような形態のものと、「家庭向け文書」いわゆる「手紙」と称されるものがある。これらの発信内容は予告的なお知らせであったり、行事等の結果説明であったり、お願いの類であったりする。問われるのは、正確さとニュースソース性である。

○情報発信に対して校長はどう関わるのか

校長は、学校からの発信物に対して、担当任せであってはならない。なぜなら、発信するさまざまな情報が適切であるかを決めるのは校長であり、的確な判断力が求められる。その記事の中に、校長としての教育理念や経営の方針などを示し、学校の課題への取り組みの方向性や学校への要望に対しての校長の見解などを盛り込みたい。校長としての風通しのよい経営戦略的な情報発信は、好感がもたれるものである。それだけに、内容の必要性と妥当性が問われるのである。

校長からの発信には、常にTPOを念頭に置いた柔軟な対応も求められているのである。

「地域とともにある学校づくり」を目指す校長の情報発信に対する姿勢に言及しなければならない。「チームとしての学校」という観点で、常にその内容を的確に把握し、その必要性と適時性、ときにはリスクをもしっかりと認識したうえで、マネジメントしていかなければならない。メール配信やホームページの活用に対しても的確に把握し、受信者や利用者に不快感や不信感を与えないように、チェック機能を働かせることが大切となる。利便性があるからこそ、校長の強いリーダーシップのもと、大胆かつきめ細やかな情報発信のための判断力が、今まさに求められている。

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