【連載】教育現場の課題をひもとく カリキュラム・マネジメント④ 人的物的資源を組み合わせる

(一財)教育調査研究所研究部長 寺崎千秋

 

1.教育内容と人的・物的資源の見直し、組み合わせを工夫

教育課程の新しい理念として示されている「社会に開かれた教育課程」では、学校が世界や社会と接点をもち、それらとつながることを重視し、「地域の人的・物的資源の活用」や「社会教育との連携」、さらには学校教育の目指すところを「社会と共有・連携しながら実現すること」を求めている。カリキュラム・マネジメントの「三つの側面」の第3では、これと連動するように「教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること」を示している。

現行の学習指導要領・総則では、「学校がその目的を達成するため、地域や学校の実態に応じ、家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること」を重視している。

各学校では、この点についてこれまでも各教科等の指導において地域の人材、自然、施設・設備、関係機関、諸事象などを学習活動に取り入れたり、体験的な学習を展開したりして、そのために家庭や地域社会からの協力や意見等を教育活動に生かすことを大切にしてきた。

この第3の側面では、「教育内容」と「教育活動に必要な人的・物的資源」の「効果的な組み合わせ」を重視している。すなわち人的・物的資源を効果的に活用する学習活動、そのための協力を得るといったレベルにとどまらずに、教育内容の質的な向上に資することを求めているといえよう。

したがって、まず教育内容を「社会に開かれた教育課程」の視点から、社会や世界の状況を幅広く視野に入れてその意味や価値を見直すようにする。その上で、改めて地域等の外部の資源も含めて教育活動に関連すると思われる学校内外の人的・物的資源を洗い直したり、新たな資源を開発したりして、取り上げる教育内容との関連を吟味し組み合わせを工夫することが必要である。

2.学校の組織・運営面の改善

カリキュラム・マネジメントの質を高めるためには、以上の「三つの側面」から見直す必要があるが、これらを実現し、充実させるためには、学校全体の取り組みとして行える学校の組織・運営の改善が必要である。「論点整理」では、そのために、以下の点を求めている。カリキュラム・マネジメントを日常的に行う際のポイントといえよう。

〇管理職だけでなく全ての教職員がカリキュラム・マネジメントの必要性を理解する。
〇日々の授業を教育課程全体の中に位置づけるのを意識しながら教育活動に取り組む。
〇効果的な年間指導計画の在り方、授業時間や週時程の在り方について研究を重ねる。
〇保護者や地域の人々を巻き込んだカリキュラム・マネジメントを確立していく。

「論点整理」がいうように「カリキュラム・マネジメント」は、学校の組織力を高め、学校運営の見直しを迫るものである。これらの視点からマネジメントし、学校の組織や運営の在り方も形成的に評価し学校改善していくことが教育の質の向上につながるのである。

3.アクティブ・ラーニングとの連動

「論点整理」では「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」は、授業改善や組織運営の改善など、学校の全体的な改善を行うためのカギとなる2つの重要な概念として位置づけられるものであり、相互の連動を図り、機能させることが大切であるとしている。

すでに平成28年度の教育課程は届けられていようが、今後の学校経営では、「相互の連動」と「機能させること」をカリキュラムの形成的評価で改善し充実させることが管理職、いや、全教員に求められる。

こうして教育の質を高めていくことが、カリキュラム・マネジメントであり、そのリードが管理職の役割である。

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