【連載】クオリティ・スクールを目指す 第74回 英語の短時間学習を設定

教育創造研究センター所長 髙階玲治

 

授業時間と週時程表でバランスを

次期教育課程において文科省は、小学校の英語教育の拡充を図るために、5・6年生の授業時間を2時間にし、そのうち1時間を15分のモジュール(短時間学習)で行うことを決定した。私もこの考えには賛成である。

ただ、すでに飽和状態に近い週時間割の中でどう位置付けるかは難しく、日本経済新聞(3月15日付)に載っていた授業時間確保の案には、やや機械的な当てはめがあるように思えた。

まず、朝の始業前に15分の短時間学習を設定する。月~金曜日に、英語、漢字、計算、読書、英語とある。もちろん、案である。

例えばA小学校をみると、15分の朝学習を行っていて、読書やドリル学習(漢字、計算)としている。そこに英語が入るが、他の学年は従来通りで変わらない。朝学習の例は多いであろう。ただ、月曜日など全校集会や児童集会を行う学校は多い。5・6年生の読書やドリル学習は2日間のみである。

問題は、文科省案に示されている給食・昼休みの後の短時間学習である。この時間帯にA小の設定はない。給食の後は清掃活動であって、その後が30分の昼休みである。多くの学校も始業前に短時間学習を設定していれば、この時間はないであろう。

文科省案は月~金曜日に漢字、計算、読書、英語、漢字としている。英語を入れることで計3回、1単位時間が確保されている。

だが、この時間帯は他の学年も在校していて授業時間を同一にするから、短時間学習を5・6年生のみというわけにはいかない。したがってこの時間は他の学年の負担になる。無理な感じである。

そこで5・6年生が活用できるのは、週2回ある5時間授業の曜日である。ただ、そのうちの1日は、5教時以後、児童会委員会活動やクラブ活動にあてられる貴重な時間である。

あと1日残るが、5教時以後は職員会議や学年会、研究協議などの時間である。これらも重要であるが、5教時以後15分を英語の時間とする。そうすれば可能である。

ただし、短時間学習が授業時間としてカウントされるのは英語のみである。国語や算数がカリキュラム編成でモジュール扱いを可能にした場合でも、授業時間とはならないのであろうか。学校の裁量の問題であるが。

ともあれ、英語モジュールの導入によって授業時間割の考え方が変わる可能性がある。何よりも、子どもの生活と授業時間を考えた週時程のバランスを考える必要がある。A小は2・3時間の間を「業間運動」の時間にしているが、大事なことである。さらに始業前を「朝の遊び」として15分とっている。

次期教育課程は、アクティブ・ラーニングの導入など時間消費型の授業編成によって学校生活に余裕がなくなりそうである。結果として土曜日授業が多くなるであろうか。