【連載】学校教育相談の歩みと展開 第7回 三大理論以外のアプローチ

函館大谷短期大学名誉教授 保坂武道

 

(1)解決志向アプローチ

特徴は、▽安全▽効果的▽平均5回実施▽7割5分を成功とする▽マニュアルがある――である。

step1=問題は何かを1つに絞り、主訴を探り、問題意識を持たせる。

step2=どうなりたいかの解決法と、どうなったら治ったといえるかの解決像を自覚的に明確化する。

step3=内的・外的リソースを探す。step4=介入する。アクションを起こす。

(2)論理療法

アルバート・エリスによって1955年頃に創始。認知変容を中心とする認知行動療法の1つ。認知とは、見たり聞いたり覚えたり、考えたり価値判断したりする全活動を指す。認知療法では言語と行動と感情を使い認知を変容させる。人は出来事ではなく、その受け取り方により悩み落ち込むという。

(3)実存主義的療法

自分の世界観、意志、価値観、真実さを通して体感している人生の現実経験こそ一番と考える。実存主義の影響を受け、▽1人の人間としてエンカウンターを強調。クラーク・ムスカーターや後期のロジャーズによる▽不安が人間成長の契機になるとする口口・メイの立場▽「生きる実感がなく何のために生まれたか分からない」という人に生きる意味を見いださせるフランクルの立場。

(4)その他

▽特性・因子理論=心理テストを用いた基礎理論▽ゲシュタルト療法=パールズによって創設され、エクササイズによって、今ここでの認知の気付きを促進

▽交流分析理論=バーンによって始められ精神分析を大衆化した理論。人間の自我状態を親心、大人の心、子どもの心の3つから考える。健全な人はこの3つを自由に出し入れできる▽アドラー心理学=オーストリアの精神科医アドラーによる心理学理論体系。

▽内観法理論=吉本伊信が創始。浄土真宗「身調べ」を修正発展。母親にしてもらったこと、人にしてもらったこと、迷惑をかけたこと、その人に返したことの事実を調べる

▽森田療法=森田正馬が創始。今の症状をなくそうとはせず、それを抱えたまま必要な行動をとれるようにする

▽現実療法=グラッサーの創始。現実の枠内で欲求を充足させ責任ある行動の仕方を学ばせる。

▽遊戯療法=表現力のない子どもを対象に遊びを通して治療を行う

▽箱庭療法=砂箱に砂を敷き、さまざまな玩具・小道具を使って自分の創りたいもの、情景や心の欲求や不満、不安を表現させる。作成過程や作品から内面を理解する▽芸術療法=音楽、美術の観賞・制作を通して実施される心理療法

▽コラージュ療法=新聞紙などをちぎるなどしてのり付けし、作品を完成させる

▽音楽療法=鑑賞や演奏を通してカタルシスを図る。自己表現や言葉を介さない

▽絵画療法=絵を制作して内面を表現し、心理を洞察する。グループで実施する教育相談、心理療法、人間関係訓練などの総称。相互作用を通して自己理解、他者理解、人間関係の把握、各自の課題解決が図られる。

その他、カウンセリングの手法は多数あるが、使えるものから選択し、広げ、深めていくのが賢明である。

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