【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第2回 新年度開始 校長は何をするか

教育新聞教育管理職研究会 編

 

○全体計画の樹立から

新年度を迎え、どんな校長が着任するのか、どんな考えを持っているのかを、教職員、児童生徒、保護者などは関心を持ち、校長の言動に注目している。

校長の最初の仕事は、学校教育の全体計画を樹立することである。こんな児童生徒を育てたい、こんな学校にしたい、自分の描いた理想の学校をデザイン(学校教育の全体計画)し、そのための経営方針を教職員に示し、共通理解を図る必要がある。

○基盤となることを押さえる

(1)児童生徒や保護者・地域の実態の把握

前校長からの引き継ぎなどから、大まかな実態はつかめるが、自分自身の目で、児童生徒の様子や保護者の要望などを詳しく把握する必要がある。学力面の様子、長欠者の把握、問題行動の把握など挙げたらきりがない。実態の正確な把握は、学校を経営するための基本である。それを自分なりに詳細に検討・分析して、各教科や学習活動の特性などに応じた、教育方針、経営方針、指導の重点項目などを示さなくてはならない。

(2)学習指導要領の内容および今後の方向性の把握

学習指導要領に示された方向や主な内容の改善点について、今までの取り組みを総括する。また次期改訂のポイントの動きも押さえる。

[次期学習指導要領改訂のポイント]

▽「何を知っているか」という知識体系から、社会に出てから活用でき「何ができるようになるか」を押さえ、そのために必要な「育成すべき資質・能力・態度」を軸にした教育課程を編成する。
▽「アクティブ・ラーニング」など学習プロセスを重視した学習指導を推進する。
▽教科横断的な視点の「カリキュラム・マネジメント」の確立など。

○学校教育目標をどうするか

学校教育の全体計画を作成するには、最初に学校教育目標を設定する必要がある。一般的に学校教育目標は、前からの設定の経緯もあって、着任してすぐに変更しない場合もある。しかし、校長は自分の教育理念に基づき、今ある目標を吟味して教育目標を設定したい。

教育目標を明確で分かりやすくし、下位目標や取り組む重点や順序などを、具体的に明示することが大切である。その際、次の観点をよく吟味しよう。

 ▽学校教育法で示されている目標が前提になっているか。
 ▽知・徳・体の調和がとれているか(学力調査や体力テストなど客観的資料が基になって作成されているか)。
 ▽急激に変化する社会を生き抜くための力を育成するものになっているか。
 ▽地域・保護者・教職員などの願いが入っているか。
 ▽国や県などの方針に沿っているか。

○各指導計画をどのようにするか

学校教育目標を決めたら、それを達成するための教育課程を編成し、それに基づいた各指導計画を立てる。

毎日の教育活動に、どのように具現化していくのか、達成させていくのかの計画を立てる。そして、教科・領域などさまざまな教育活動計画場面において、学習指導要領で示されている重要指導内容(例えば、思考力・判断力・表現力などの向上のための言語教育の充実等)や体験的な学習の実施、基礎的・基本的な知識の定着および技能を活用した問題解決的学習を重視することなどを強調しなくてはならない。

また計画倒れにならないためにも、月計画や週計画の中に、数値目標やPDCAサイクルや評価場面、評価方法など、目標達成に向けた具体的な方法を示し、定期的に点検し確認して進めていくことが大切である。そして、教職員一人ひとりが、1時間1時間の授業を、計画に基づき、確実に実践・充実させ、児童生徒をよりよく変容させていくことが求められる。

[参考]

各校種の目標は、学校教育法第21条(義務教育の目標)、第30条(小学校教育の目標)、第46条(中学校教育の目標)、第51条(高等学校教育の目標)を参照。

教育課程の基準は、学校教育法施行規則第52条(教育課程)「小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする」。中学校は第74条、高等学校は第84条を参照。