【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第4回 校内研修の充実

教育新聞教育管理職研究会 編

 

教職員を育てる
○学び合い、高め合う校内研修の確立

「教員の研修意欲が希薄になっている」「研修自体がマンネリ化している」、中には「校長自身があまり研修に参加しない」などとの話が聞かれる場合がある。

近年、教員の大量退職、大量採用等の影響により、これまでのような先輩教員から若手教員への知識・技能の伝承がうまく図られない状況が否定できない。校長が、学校経営の柱に、校内研修の質の向上や活性化を位置付けているのは当然である。

昨年12月に出された中教審答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について―学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて」の中で、「新たな知識や技術の活用により社会の進歩や変化のスピードが速まる中、教員の資質能力向上は我が国の最重要課題であり、世界の潮流でもある」と示された。

これを踏まえ、校長には自校の研修システムを再構築し、学び合い、高め合う校内研修の確立を図ることが、今まさに求められている。

○教員の意識改革と校内における研修体制の再構築を図る

教員の確かな実践を支える柱は、組織的な校内研修である。「教員は学校で育つ」と言われるゆえんである。しかし、「経験を積み十分に分かっている」と自己を過信し、研鑽・研修を軽視する教員の存在や、験年数による教員構成が顕著にアンバランスであるなどから、学び合いや研修体制が組みづらいという実態も見受けられる。

校長は、研修時間の確保、指導教諭等の研修リーダーの活用や課題別の研修チームづくりなど、教員が能動的な自己研修(自律的な学び)の姿勢で研修に取り組めるような環境整備を図る必要がある。研修成果が実感できるような工夫も考えたい。

また個々の持つ多様な専門性を生かし、連携・分担してチームとして職務を担う体制づくりを進めることで、学校の教育力・組織力を向上させられる。その中心的な役割を担う教員一人ひとりのスキルアップが図られるような研修づくりへの校長の手腕が、問われている。

○現状分析を踏まえ、現状改善への課題に取り組む

校内研修の活性化の第一歩は、学校評価や各種の調査・テスト結果などから、自校の問題点を洗い出し、分析し、「自校の課題」と「研修テーマ」の関連を図ることである。一連の取り組みに全教員を参加させたい。そして、なぜこのテーマなのかを教員が理解し、日々目標達成のために実践できるようにすることである。

校長は、個々の研修意欲を高め、組織として機能する研修体制を構築する中で、学び合い・高め合える姿勢・雰囲気づくりに指導力を発揮すべきである。

○新たな課題に取り組む

中教審の答申により、新たな教育の動向として、児童生徒の育成すべき資質・能力を整理(学力の三要素や人間性等)し、社会に開かれた教育課程(社会との関わり・つながり)、各教科の明確な目標設定、教科構成等(道徳の教科化、小学校における「英語科」導入)や学習方法の改善(アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善、ICTの活用)、発達障害を含む特別支援教育の推進などが示されている。

したがって、これらを受け、早急に取り組んでいかなければならないことへの見通しと意識化を図り、自校の現状を踏まえた上で段階的・具体的な取り組みを進めていくことが求められている。

[参考資料]

平成27年度教育課程編成・実施状況調査(文科省)から
▽アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善に向けた取り組み
「すでに実施している」=小学校48.9%、中学校45.7%
▽カリキュラム・マネージメントの確立に向けた取り組み
「すでに実施している」=小学校37.5%、中学校32.2%

校長はこの新たな動向を、校内研修の活性化のための3C(chance、challenge、change)と捉え、臆することなく指導力を発揮する必要がある。また「チーム学校」の考え方の下、組織的・協働的に諸問題の解決に取り組む力や、教員個々の自律的な学びやキャリアステージに応じて求められる資質能力を発揮し高められる力を身に付けられるように働きかけていかなければならない。

校長には、「学び続ける教員を育てる」ことが求められているのである。