【連載】学校管理職の危機マネジメント② 5月 プロブレムファースト

教育新聞論説委員 寺崎千秋

 

ハインリッヒの危機管理の法則では、重大な事故、軽傷の事故、事故には至らないがヒヤリとしたりハッとしたりするような事例の割合が、「1:29:300」になる。この300の事例をしっかりと認識して対応することが軽傷事故、重大事故を防ぐ対策になるという。

学校という学習、生活の場においても、さまざまな事故が発生しているが、日頃の学校生活の観察で「あれっ」「おやっ」などと違和感や変化を感じたとき、気になったときに、それを後回しにしないで管理職や担当者に報告や連絡をする日常が大切である。

よく聞く「プロブレムファースト」を学校組織として徹底する営みが、事故を未然に防ぐ最良の策となる。

年度当初は、この点を全教職員に伝えて徹底するよう求めるようにする。この時期、子どもや教員のメンタル面での注意や配慮を十分に行うようにしたい。

4月を振り返ってみて、どのような事故や課題が報告・連絡されていただろうか。日直日誌、週の指導計画、保健日誌などから事故等の実態・状況を確認するとともに、各担当者から直接話を聞き取るようにする。

養護教諭からは、欠席児童生徒の状況、負傷や病気等での来室状況、家庭との連絡状況など。

生徒・生活指導主任からは、学校生活での課題や問題発生状況など。相談室等のスクールカウンセラー等からは、来室状況や相談状況等、事務室・主事室等の主事からは、教師の見ていないところ、施設・設備で気になったところなど。こうした報告や連絡は、きちんと入っていただろうか。知らなかった点はなかったか。

これらの確認の上に、プロブレムファーストを徹底し、素早い対応をして事故等の未然防止に努めようと声かけし、あらためて全教職員に徹底を求めるようにする。

5月から6月にかけては、運動会が計画されている学校もあろう。

課題となっている組体操への対応について教育委員会とも連携し、どのように実施するか、保護者や地域等の意見も聞いて判断し、結論について説明をきちんと行うようにする。